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令和6年度第1回「こころの語り場」が開催されました

2024年10月16日

 うべ環境コミュニティーでは、「こころ」に関連するテーマについて、多様な年代、価値観、背景を持つ参加者が本音で語り合い、心理学を主要なテーマとするエッセーをじっくり考える「こころの語り場」を開催しました。
 その目的は、若い人たち、特に心理学に興味を持つ若者たちが意見を述べ合って、それに対してシニア層を含む年長者も経験に基づく意見を述べ、それぞれの参加者が勇気を持って前向きに生きていく気持ちが強くなることを目指しました。
開催日時場所および参加者内訳は以下の通りです。
・令和6年10月5日(土) 13:30~16:15 
・宇部フロンティア大学 臨床心理学実習室
・参加者は、高校生3名、大学生・大学院生5名、現役の一般市民4名、シニア層4名、大学関係者4名で合計20名でした。
・本イベントのコーディネーターは薄井洋基(神戸大学名誉教授。宇部環境コミュニティー理事)と宇部フロンティア大学三島瑞穂准教授が担当しました。

 当日の会場では、意見交換を活発に行うために参加者を3グループに分け、それぞれのグループに高校生・大学生・一般参加者がよくミックスするように配置しました。また前半と後半の二回で異なるエッセーの読み合わせができるようにファシリテーターとサポーター以外は別グループに移動するよう配慮しました。
 読み合わせの資料として、河合隼雄著「心の処方箋」新潮文庫(2004)の中から4つのエッセーを選定して参加者に配布し、その中から各グループとも2つのエッセーを選んでもらいましだ。最初に各パラグラフを参加者が音読し、続いて内容に関する自由討論を行いました。
以下にそれぞれのエッセーの題目を示します。それぞれのエッセーに対する参加者の意見と、意見交換の記録は長くなるので、次のブログに記載します。

☆「100点以外はダメなときがある」
☆「灯を消す方がよく見えることがある」
☆「心の新鉱脈を掘り当てよう」
☆「心の支えがたましいの重荷になる」

★上記の意見公開終了後、宇部フロンティア大学の三島瑞穂准教授による心理学のミニワークショップが開催されました。三島先生のよって、投影描画法を用いた自己理解、人間関係理解に関するワークなどが行われました。

☆コーディネーターによる総括コメント
各グル-プとも、予想外に広い視点からの意見が多かったと思います。参加者からは、いろんな経験を踏まえた意見が聞けて良かったといった感想もありました。同じ文章を読んでも、一人一人随分とらえ方が違うものだということを実感しました。
 このような機会に「立ち止まって考える、肯定的に考える」と言ったことが大切だ」という意見も全体としての気付きだったと思います。
 著者が言わんとする本質に迫って行くには、多くの参加者が短時間に自由に発言する場ではなかなか難しいものです。少人数で徹底的に議論すれば、それはそれで良い語り場となると思うのですが、それではこの会の趣旨と違った方向に向かうのではないかと危惧されます。それぞれの参加者の意見や体験を統合して、そこから一段と高い視点での考えを纏めて発信していくというアクションが必要と感じました。当日、この会の趣旨として冒頭にお話しした「創発」を生み出し、参加者へフィードバックして行きたいと考えています。

☆今回の取り組みの自己評価
 語り場終了後に参加者と意見交換を行い、次のような意見をいただきました。
①「今日の企画は従来の講演会形式の会と比べると面白かった。
②第2回目を開催するのなら、参加したい。
③読み合わせ資料として提案されたエッセーの内容は良かった。
これは単純に「語り場」の企画の斬新性だけによるのではなく、「こころの語り場」として各参加者がこころの内面を見つめ直す良い機会になったと感じたからだと思います。その意味では、「こころの語り場」の目指した当初目標の一部は達成されたと評価できると考えます。
ただし、徹底的な意見交換・議論の場としては、①時間制限、②問題設定の方法、③ポストイットに意見を書いてホワイトボードに貼り付ける方式をもっと意見の集約に役立つように工夫する必要がある、などの改良点があるように感じました。
参加者の年齢層のバランスは適切であったと考えられるが、欲を言えば高校生の参加者数がもっと増えて欲しかった。開催日の設定・高校生への広報など、改良すべき点があると思います。

☆今後の展開について
 今回の第1回「こころの語り場」の実施結果を踏まえて、上記の自己評価結果をベースにして第2回を企画したいと考えています。
 「こころの語り場」は参加者に自分を見つめて、自分の生きていく方向性を確認して勇気を得る上で効果があります。人それぞれにこれまでの人生の悩みやトラウマがあるもので、これらを解決するための端緒となるような「語り場」を目指していきたいと考えています。

謝辞:会場提供など多大のご協力をいただいた宇部フロンティア大学様に深謝いたします。また、後援・協賛をいただいた宇部市境域委員会とAYSA(NPO山口県アクティブシニア協会西部部会)に謝意を表します。

第1回「こころの語り場」コーディネーター:薄井洋基 記

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