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2023年度第1回環境サロン「タネは誰ものもの」映画を見る会 (その2)
2023年07月31日
映画上映終了後、このあたりについてお詳しい、山口県環境保全型農業研究会(かんぽ研)事務局長、有機ネット山口西部副代表の比嘉朝康さんに、解説と補足説明をしていただきました。
当日の資料として、一般社団法人 心土不二 のパンフレット(16頁)を配布させていただきましたが、比嘉さんは、日本の種(タネ)を守る会の「タネを守ろう」という冊子(41頁)が配布されるのかと思われて、10冊ほど保ってくる予定を1冊だけしか用意されてこなかったということでした。
それと、上映開始時に、かなり手間取ったことがあって、十分な時間をとれなかったことをお詫びいたします。
そこで、当日、比嘉さんが用意していただいた、沢山の資料、すべてを示すことは紙面の都合上、難しいので、一部省かせていただき、またこちらが重要と思った部分に、黄色の蛍光ペンで色をつけさせていただきました。ご理解の程、よろしくお願い申し上げます。
モンサントはベトナム戦争の枯葉剤や、除草剤ラウンドアップのグリホサートの開発で知られる米国の世界的な企業ですが、2018年にドイツのバイエル社に買収されているんですね。
タネについては、1代しか発芽しない種子(F1種子)を作り、さらにラウンドアップに耐性のある微生物の遺伝子を組み込んだダイズ、トウモロコシ、ナタネ、ワタ、テンサイ、アルファルファなどをつくり、種子とラウンドアップとのセット販売をしているということです。
種子法の廃止ならびに種苗法の改正については、その後、かんぽ研や、やまぐちの種子(たね)を守る会)が色々努力されています。これらの対応として、山口県でも山口県種苗条例が2023年4月に施行されることになり、現在全国で33の都道府県で条例施行済みになっていることは喜ばしいことです。
参考資料3については、以下よりダウンロードできます。
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/uploaded/attachment/154334.pdf
また解説のまとめとして、種子法と種苗法の違いを表にまとめていただいています。
Ⅲ 持続可能な社会の構築と生態系については、こういった問題の基礎的な認識に立ち返り、生態系と食物連鎖、土の重要性について、述べられ、有機農業、自然農法の大切さが語られています。
また、比較的最近の、国内の動きとして、2006年の有機農業推進法の制定があります。この法律の成立経過及びその後の成果については、以下の論文が参考になります。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/joas/9/2/9_6/_pdf/-char/en
2005年の有機JAS格付け実績数量48,172 tでしたが、10年後の2015年には60,584 tにしか伸びていません。https://organic-press.com/local/japan_data02/
2020年4月にはみどりの食料システム法が成立し、2050年までに有機農業の栽培面積を100万haに、化学農薬50%削減、化学肥料30%削減の目標が定められたことも知りました。
比嘉さんは、巨大な多国籍業は、「種を制する者は世界を制する」といい、現在でも実質的に食べ物で世界を支配している。その地域にあった伝統的な農業の仕組みを尊重し、大自然の営みを科学的に利用し、何千年も農業を続けても自然環境を痛めない農業を目指さなければならないとされ、最後に、南米先住民に伝わる「ハチドリのひとしずく」を読まれました。
最後に、参考資料として付けられた、ゲノム編集食品の問題点についても、全部ではないですが、上げさせていただきます。小冊子にも解説はありましたが、遺伝子組換えとゲノム編集の違いは簡単には理解できませんね。
何十億年かけて、自然の突然変異の中で少しずつ改善淘汰されてきた動植物が、人間の浅知恵で性急に、人間に都合の良い動植物に改造すると、大きな副作用が現れることも予想されることではないでしょうか。
はじめにも述べましたが、ゆっくり議論したいところでしたが、時間が無く、大変申し訳ありませんでした。最後にご協力いただいた、かんぽ研、比嘉朝康さんに厚く感謝いたします。(文責:浮田)
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