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山口湾の600m沖合に、かって遠石島(といしじま)があり、今は280haの阿知須干拓地
2021年05月31日
5月15日(土)、雨の中、山口きらら博記念公園にてトライアルマラソン・ハーフに出場する家族の車に同乗し、応援もかねて阿知須干拓地へ出かけました。きらら浜自然観察公園に向かって歩き始めたところ、水泳プールの向かいに「遠石島(といしじま)の由来」という記念碑を発見。
2001年、阿知須町長の言葉によれば以下のとおりです。
「この公園のある場所は、かって山口湾に浮かぶ遠石島があったところです。島は、陸地から約600mの沖合にあって、干潮時には周囲が干潟になり潮干狩りができました。また、恵比寿神社十七夜祭の神輿の御旅所、日吉神社の雨乞い霊地として、住民の信仰の地でもありました。
大正から昭和にかけて、造船所も存在し、海運業の振興に寄与しました。
その後、昭和22年(1947年)、国が食料増産をめざして、干拓事業(286ha)を始めた時、その中に取り込まれ、昭和39年(1964年)、完成とともに、その姿を消しました。
昭和63年(1988年)から国・県の事業によって、埋め立て造成が行われ、完成とともに、「きらら浜」と名付け、21世紀の幕開けに夢と希望をはぐくむ大地として生まれ変わりました。
山口湾唯一の人の住む島であったこと、景勝地であったことなど、この島にかけた先人の思いや夢を永く記憶にとどめ、次の世代へと引き継ぐため、公園を整備し、この石碑を建立しました。 平成13年(2001年) 阿知須町長 飯田宏史」
徒歩20分で、山口県立きらら浜自然観察公園へ。汽水池、淡水池、干潟、ヨシ原などの環境が守られていて、野鳥や草木など生き物を学び、楽しむことができます。ビジターセンターにも阿知須干拓の沿革が写真とともに掲示されています。以下に年表から抜粋します。
・1940年代 干拓工事開始
・1950年代 南工区潮止め
・1960年代 北工区潮止め、64haの干拓地完成
・1970年代 南工区の一角に町民グランドオープン、広大な湿地のヨシ原と草原が生まれ、動植物の宝庫となる
・1980年代 埋め立て工事着工、築堤工事開始、小野田・宇部港の浚渫土搬入開始
・1990年代 埋め立て工事終了、阿知須干拓地自然公園起工式
・2000年代 県立きらら浜自然観察公園開園
山口きらら博開催
自然観察公園には普段、マイカーで行き、たまに自転車ツーリングします。この日は公園からJR宇部線阿知須駅までグーグルマップで、2.8㎞程、34分弱のルートを歩いてみました。広幅員県道を避けて、旧道や住宅街の道をたどり、井関川を渡り阿知須駅へ。駅にシェアサイクルでも置けば、子ども達や家族連れ、高齢者など近隣市町や遠方から訪ねる方に魅力ある地域と思います。
それにしても広大な干拓地域286haは、当初目的の農地になることなく、記念公園と超大型な駐車場、スポーツグランドが拡がっています。山口県政は財政難に直面し、県立公園の市町への移管が打診されたりしており、今後が心配になります。
クロツラヘラサギの保護もされていて、多様な生き物の生態系を学ぶにはかけがえのない自然観察公園、多くの方に利用してほしいです。(H.M.)
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