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大変遅くなって恐縮ですが、前年度3月4日に開催された小川先生による哲学カフェの紹介とコメントです。

2021年05月18日

大変遅くなって恐縮ですが、前年度3月4日に開催された小川先生による哲学カフェの紹介とコメントです。宇部市の令和2年度共創のまちづくり活動助成を得て、学習館では3回目のカフェです。

今回は、高校生7名、一般人3名がディスカッションに参加し、オブザーバー4名、オンライン傍聴者6名の総勢20名が参加し、コミュニケーション力とは何かについて、理解を深めることができました。

主として、小川先生と高校生達のやりとりが多かったですが、以下のような趣旨の議論がされました。

・コミュニケーション能力の高低とは何をさすのか
それは複数からなり、対面での場合は相手(他者)との会話(聞く、伝える)、同じ空間の共有感が得られ表現力、知識量、熱量が求められる。その他、テンポを合せることや温度を合わせて進める、見抜くことが重要である。

何故、意思疎通ではなく、コミュニケーションという英語を用いるのか。カタカナ英語を好む傾向が元々あるし、グローバル社会に合っているということも言える。また、これまでの日本人同士では会話は「阿吽の呼吸」で済み、その必要性はなかったけれども、文化差や価値観の相違が存在する対人会話の必要性が高まっているからと考えられる。

どのようなシーンで求められるかというと、就職活動や入試での面接時の自己PRなどである。  

技術力や研究開発が求められている企業ではあまり必要とされないが、取引が主な企業ではコミュニケーション力が高い方が重視される場合もある。
どちらの能力が高い組織が勝つのか、という「思考実験」をすると、現状では、コミュ力の方が優位で、大変危うい状況となっているともいえる。

SNSでは、文章表現力が主であるが、対面での表情や身振り(ジェスチャー)で補うことによりカバーできる。

・コミュニケーション能力を高めるには
自分の素をさらけ出すこと。相手や状況をわきまえて対応し、使い分けること。また、時には自己暗示をかけて素の自分ではない人格を演じること。文脈を読むことや質問のタイミングを掴むことが重要である。

・コミュニケーション障害について
現在では認める方向となっている。その人なりの手段・方法として理解すること。男女差も大きいし、コミュニケーションを取りたくない言い訳になっている。これへの対策として、個性として放っておくのではなく、教育の現場においてはではプレゼンテーションや課題解決という教育内容も重視されるようになってきている。

・コメント
 コミュニケーションという日頃見聞きする言葉についての意味や能力、これに障害を持つ人について授業形式で討論された感じでした。主催者側からは、講師の哲学者という面からの専門的な解説を聞きたかったようですが、参加者に高校生が多かったので仕方のないことと感じられました。私自身も授業展開での参考にはなりましたが、やや物足りない内容ではありました。
                                  (以上 文責:木下)

以下、浮田からの補足コメントです。

社会人お二人からは、
・技術力が要求される職場の、技術力とコミュニケーション力どちらが大事かという点で言えば、データに基づいて議論し、最適の選択肢を選ぶ課程で、コミュニケーション力が大事になる。
・話す相手が理解しているかを意識して、一方的な話にならないように注意する必要がある。
・組織の中で、コミュニケーションを高めるには、人によって考え方が異なるので、お互いによく人の話を傾聴し、共感することで、その共感した部分についてアプローチすることに気をつけている。
と言ったようなご意見がありました。

また小川先生からは、商社マン時代のご経験を踏まえ、
・コミュニケーションの入り口として、その人の印象、笑顔、雰囲気や、人の意見を受け入れる適応力も大切である。
ともコメントされました。

終了後、日頃、組織内の良好なコミュニケーションの維持に気を遣っている主催者の一人として、コミュニケーション力の大切さについて、やや冗長なコメントをさせていただきました。

 まわりの人と良好な関係をもつこと、和やかな雰囲気、楽しい仲間の関係を誰もが望んでいると思います。
 学校のいろいろな部活、サークルの仲間、クラスの友達関係もあるでしょう。
 われわれ大人の活動団体でも、同じように、できれば楽しい雰囲気で活動したいです。
 しかし、それぞれ人によって個性が違いますし、この人とは気が合うが、この人とは合わないという好き嫌いもあります。
 それが嵩じて、いじめにつながったり、犬猿の仲になって、挨拶もせず、いがみ合うような場合もあります。そうなると色々な組織の雰囲気は悪くなってしまいます。

 組織として、うまく機能していくためには、それぞれのメンバーのいい面、優れた面を活かしていくのがいいですね。
 個人と個人の関係では、できるだけ相手のいい面を見て、悪い面には寛大な気持ちを持つように心がけることが大事だと思います。
人間誰でも、完璧な人はいません。誰でも欠点はありますが、人の悪い面はよく気がついて批判したりしがちですが、自分のことはよく見えません。
 たえず自分を反省する。謙虚な、柔軟な心を持っていなければならないと思います。
 一般に若い人ほど柔軟性はあると思います、歳をとるとどうしても、自分の考えが固まって柔軟性を持つことが難しくなります。死ぬまでせめて心の柔軟性は保ちたいものだと思います。
 

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