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環境サロン「ごみと化学物質」第7回がありました。
2012年08月17日
8月16日(木)昼と夜、2回、山口大学工学部の関根雅彦教授に化学物質の水生態系に及ぼす影響について、お話をしていただきました。暑いお盆の季節で、参加者が少ないことを心配しましたが、全員で昼11名、夜10名の参加があり、なんとか面目が立ちました。また山口から2名の参加もありました。河川の魚にとっての環境については、①食べ物、②産卵等、③被食などからの安全性がある。別の見方からすると、①物理環境、②化学(水質)環境、③生物環境という分け方もできる。公害がひどかった時代はともかくとして、最近では、化学物質の水質で説明できるのは全体の10%以下であるという評価もある。物理環境には河川でいうと流速、水深、底質(植生も含む)があり、水温、にごりなども含むこともある。
いわゆる毒性が問題になる化学物質の場合については環境省は本格的に2002年から取り組み始めた。787物質のうち優先検討対象として81物質が選ばれ、うち8物質について水質目標値が設定された。うち亜鉛は2003年より環境基準に加わった。また、2012年よりノニルフェノールの水質目標値に加わった。100倍濃縮後のヒメダカを用いた急性毒性試験では、下水道未整備の都市河川などで比較的高い毒性が検出され、GC-MS一斉分析で合成洗剤成分やフタル酸エステルなどが高めであった。
県内周辺河川についての生物生息状況のデータの比較から、毒性と底生動物の種類、魚の種類の間にはある程度の相関があった。補足的にときわ公園北側の水路でせきを設け流速を変えるだけで、カワニナが生息するようになり、翌年ホタルが出るようになった成功例、山口湾干潟で網で覆うことでアサリが800個/m2程度維持できたこと等も紹介された。昼の部の議論では、○やはり生活下水の合成洗剤が問題なのか。→意外に未処理の工場排水や事業場排水の影響もありそうだ。○フタル酸エステルは産廃処分場からくるのか。○床波でも調べたことがあるが、タコがアサリを食べていたりする。クロダイもよくアサリを食べる。○富栄養化は最近は水質汚濁の観点より生態系の食べ物に関連しているのでは。○水温が影響大きいのではないか、などの質問があった。
夜の部の議論では、○毒性と生物の関係は?→その場所に生息する魚類や底生動物の種類の特性とも比較できて、ある程度の相関が得られている。
○下水処理や、合併浄化槽を経たあとの処理水は調べられたことはあるか。→しっかり調べたことはない。最近は洗剤成分や農薬類にしても分解性も考えて作られているので、処理過程でかなり分解されるのではないか。○小野湖の水質はあまり良くないと言われるがどうなのか。上流部の産廃処分場の計画に反対しているが、浸出水の毒性はどの程度のものか。→自分がみた例ではあまりでなかった。管理方法にもよるが、最近の海岸処分場では海水面との連動もなく遮水がしっかりしている。
○FRP船の破砕中間処理施設の問題、沈船処理の問題について、
○ダム直下の生物調査の後、靴が臭かったが、むかしもそうだったのか、何故か→有機物があるので少しは臭うだろう。○EMの水質浄化効果について→効果はあるだろうが、巻続けなくては何ら内のでコストが結構かかるのでは。○化学物質とともに今は放射性物質についても考える必要があるのではないか。→たしかにそうで、学会などでも、そのような認識になってきている。ただ、主に慢性毒性の評価になるだろう。
など活発な意見が交わされた。
Ustreamは下記で見ることができます。
http://www.ustream.tv/recorded/24742051
次回第8回は8月23日(木)14:00~昼の部、19時~夜の部で「化学物質と子どもの健康」です。講師は後藤日出夫先生、お母さんがたのご参加を期待しております。(館長)
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