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世代間の対話~混迷の現代をどう生きる 第7回「インドネシアの自然と人間~イスラムからみた環境」の概要です。
2012年08月12日
先週木曜日8月9日の環境サロンは、インドネシア、スマトラの南東部にあるランプン大学の助教授で、山口大学理工学研究科で博士課程在学中のガトットさんのお話を伺いました。
2000~2005年の熱帯林の減少は1位ブラジルで310万ha、2位インドネシアで185万ha、3位はミャンマーの46万haと、ブラジルとインドネシアが減少量の27%と17%を占める。2011年のインドネシアから日本への合板輸出は102万立米、紙の輸出は訳40%それぞれ年率10%、13%ずつ増加している。2011年のパルプ生産納涼は860万トンであるが、2020年には2040万トンになるとされ、われわれの生活と熱帯林伐採が無縁ではないことがわかる。
世界中でムスリムは16億人弱、世界人口の1/4程度いるようだが、インドネシアのムスリム約2億人で国全体の人口の86%を占める。キリスト教9%、ヒンドゥー教3%、仏教その他が2%で、イスラム国家というわけではない。
沙漠と熱帯林の全く対照的な環境の国になぜ同じイスラムが信じられているのか不思議な感じがするが、7Cに始まったイスラムの教えが、アラビアの商人達によって徐々に伝わっていった。特徴は侵略、戦争、政治的抑圧によって、普及したのではなく平和的に滲透して行ったことに、キリスト教を背景にしたスペインやポルトガルの進出との大きな違いがある。
もともとイスラムの環境倫理は人間は神から自然の管理を委託されているので、神の創造物である環境を大切にすることは、基本的なことである。水や大気を汚さず、土地を適正に管理すること、作物は人間だけのためのものでもなく、食べ物に感謝して、ごみをぞんざいに出さないなどは、コーランやムハンマドの言行録などに書かれている。
議論では、以下のようなやりとりがあり、現実の難しさ、また意外な面もあった。
Q::そういう立派な教えがあり、熱心な信者が多いと思うが、現実には何故、森林破壊が進むのか。 A:ムスリムが多いとはいえイスラム国家でないこと、貧困問題があり、家族を養うために不法伐採にも手を貸す場合もある。経済は中国人が握っていて、彼らの関心はビジネスにあり、環境への配慮は二の次である。
Q:環境教育はどうなっているのか。 A:小学校教育は、算数や英語など、むしろ日本よりインドネシアでレベルが高い面がある。競争が結構激しく、環境教育はあまり行われていない。
Q:モスクでそういう教育はされないのか。 A:人々の関心はやはり、食べることが第一で、あまりされていない。
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本シリーズの次回は9月13日(木)19:00より今年小学校校長を退職された伊藤瑞生さんにお話しを伺います。
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