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エコロジカル・フットプリントってどういうものか分かりますか。

2024年07月23日

世界中の人が現在のアメリカ人のような生活をしたら地球が5個必要だとか、日本人のような生活をしたら2.9個必要だとか言ったことを聴かれたことがあるかと思いますが、これらはどのような考え方で推定されているのでしょうか。

よく分からないので、ネットで調べてみました。かなり膨大な情報があり、詳細を完全に理解するのは簡単ではありません、まだわからない部分もありますが、わかる範囲で参考となる情報を紹介いたします。

まずはじめの図は、エコロジカル・フットプリント・ジャパン理事の伊波克典さんの講演録からの引用ですが、自然が供給しうる資源容量を面積で表したBiocapacityと、われわれ人間が消費する資源をやはり面積で表したEcological Footprint のバランスをとることが大事であるが、現在はすでに後者が過大になっていて、持続可能ではない状況にあります。

資源といっても、鉱物資源を含め様々あるわけですが、Ecological Footprint では食料などを中心とした生物資源を主な対象とし、これらの生産と廃棄物の処分や、関連して現在の環境問題として重要性の高いCO2の排出と森林による吸収を加えた、解析が行われているようです。

右下の農地や森林、海洋などを含めた図で見ると、世界における現在のバイオキャパシティの現状は1人当たり1.6 global ha に対して、エコロジカルフットプリントは 2.8 global ha , 1.8倍となっていて、先述の5 倍とはかなり小さい値になっていて、よくつかめません。
ここで、gha:グローバルヘクタールとは、生物生産性を有する土地・水域の総計の世界的平均生産性を有する仮想的な土地1ヘクタールを意味するとのことです。

もう少し詳しく見ていきますと、次の左の表のバイオキャパシティの6つの土地利用タイプが示されていて1~4が主要な生物資源の生産の場です。5番目は都市部などの人工的な土地、6番目がCO2の吸収してくれる森林が上げられています。近頃話題になっているブルーカーボンは考慮されていないようです。

右の図をよく見てみると、これは単に世界の地表面積の現状(10年以上前のデータですが)を示したものですね。生産性の高い海域を含めた生産性の高い土地面積は合わせて14%、砂漠、氷河、不毛地など11%で、残り65%が生産性の低い海洋という内訳が示されています。

さて次2つの図は、膨大なデータをもとにフットプリントの計算を行っている団体である、Global Footprint Network によって2019年に作成された、「 Working Guidebook to the National Footprint and Biocapacity Accounts 」からの引用です。

1枚目はバイオキャパシティの計算方法の概略をしめしたものです。国レベルで、土地利用のカテゴリー別の計算式が示されています。

各生産地面積に世界平均的な収量係数を乗じて、カテゴリー別の生産土地面積を計算し、これに耕作地を1とした等価係数を乗じて、カテゴリー別のバイオキャパシティが計算されることを示しています。

最下段は英語ではInfrastructure area となっていますが、収量係数や等価係数のところは耕作地の係数が当てはめられていますので、施設農園面積と訳したものを示していますが、確証はないです。

2枚目は、同じくエコロジカルフットプリントの計算の概略が示されています。

まず、これにカテゴリー別の各生物必要量を生産するための世界平均的収量係数を用いて、必要な各生産地面積を求めます。

これに、耕作地を1とした各等価係数を乗じて、カテゴリー別エコロジカルフットプリントを算出し、これらを合計して合計量を計算することになります。

ただ、CO2排出に係るカーボンフットプリントについては、5段目にありますが、世界平均的な森林のCO2吸収係数を用いて、排出されたCO2の吸収に必要な森林面積を求め、これに森林の等価係数を乗じて、カーボンフットプリント分が計算されます。

また最下段に人工被覆土地と訳していますが、英語では Built-up Land です。適切な訳かは自信がありません。インフラストラクチャーフットプリントはいわば人間が主として生活する都市空間の面積を意味しているのかとも思いますが、これも確証はありません。

そんなことで、 非常に不消化なままのまとめで恐縮です。ただ、おこがましいですが、一般人にもう少しわかりやすい、情報発信が必要なように思います。

銀天エコプラザ通信の2024年8月号に盛重芳文氏が投稿された記事に引用されていた図は、下記サイトより引用したもので、エコロジカルフットプリントの応用例として、2つの図を示しておきます。
https://www.overshootday.org/how-many-earths-or-countries-do-we-need

盛重氏はその元原稿の中で、以下のように述べています。「世界各国経済を地球レベルに置き換えたら地球は何個必要か、各国経済が自給自足したら何倍の国土が必要か、は別図参照下さい。分をわきまえない恐竜レベルが解ります。」
(文責:浮田)

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