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ニューヨークの小学生「マイクロプラスチック・ストーリー ぼくらがつくる2050」に驚き
2022年11月24日
「市民のための環境公開講座2022」にて、「変革のレシピ 誰一人取り残さない環境教育」佐竹敦子氏の講演を、11/16、オンラインで聴きました。佐竹氏はニューヨーク在住の環境活動家・ドキュメンタリー映像作家です。
「マイクロプラスチックストーリー ぼくらが作る2050」
監督:佐竹敦子(Atsuko Satake Quirk), Debby Lee Cohen、90分
映画紹介、予告編など、下記URLです。
https://www.microplasticstory.org/
#マイクロプラスチック #変革のレシピ #環境教育 #佐竹敦子
ニューヨーク市ブルックリンの第15公立小学校の児童、5年生が2年がかりでマイクロプラスチック問題を学び、調査していきます。通りや川や海岸で砕けていく膨大なプラスチック容器やボトル、皿、発泡スチロールなど、量に驚き、その魚や生き物を苦しめることを研究者や公園管理の人たちから学び、結果をアピールし、対策を提案し、校長先生や市議会にまで呼び掛けていきます。
子どもたちは調査し話し合い、プラゴミ問題を図や絵に表現し、若者や市民や行政に伝えるなかで、プラスチックが膨大に生産される経済や社会の仕組みの矛盾に気づき、環境汚染や温暖化で苦しむのは弱い立場の生き物や貧しい人々なのは、正義 (Justice)ではないと、訴えます。
佐竹敦子氏が活動するニューヨークの市民団体、Cafeteria Cultureが大切にしている考え方が、下記の図に示されています。環境問題にも、平等とか、正義という視点が大切なんですね。
小学生は活動の過程で、自分たちの給食でも、プラスチックの皿、プラ容器、フォーク、ペットボトルなどプラ容器が大量に捨てられることに問題意識をもつのです。そこで、校長先生や給食担当スタッフ、市の教育委員会、給食担当管理官などに申し入れ、第15小学校で、プラスチックゼロ給食の日を実現しました。その活動は、ニューヨーク市全体の1800の小学校のうち、給食調理室を有する半分くらいの学校に広がっており、さらに全米に、プラスチックフリーランチでUSAとして、拡大しつつあるとのこと。
佐竹さんの発言から:
・アメリカでは、意見を言っていいという土壌、他の人と同じでなくてよい
・子どもたちも他の市民と同等の権利をもっている
・社会を変えるってどういうこと?体験しないとわからない
・答えを与えない、答えは自分で発見しないと、自分のものにならない、そこはとても大切
・Let’s な言い方が大切
・変えないと、と思っている人がいる、出会い、つながり、いっしょに、市や議員でも
日本の現状について
・廃プラスチックの輸出は、日本からが世界一、アジアで燃やし、ダイオキシンなど汚染を起こす
・とにかく減らす、リサイクルでは間に合わない
・産業界的には、プラスチックはリサイクルしているから大丈夫、もっと買ってというビジネス
・生ごみ堆肥化も大切、焼却の4割は生ごみ、水分多い
・減らすことが大切。生協、リユース瓶で調味料。
・量り売りの店も少ない。みそ、しょうゆなど量り売りした時代、昭和にあったのに。
このドキュメンタリーは日本語に吹き替えされて自主上映会などで見ることができますが、吹き替えプロジェクトの実現には、声優として熱意を込めて演ずる小学生や市民、学校の先生、科学者、議員、市長に至るまで、ボランティアを募り、企業や大学などの応援があったそうです。
アメリカでは、公平、Justice、人権の視点どの子どもも同じ教育を受ける権利があり、フードトラックもくる、教育委員会の給食管理部がやっている、すごい。日本は給食、食育すごいけど、朝ごはんないし、こども食堂頑張っている人たち居るけど、ボランティアベース、行政のサポートない。日本は福祉の視点、かわいそうが出発点、立ち位置が180度逆。助けてあげたい、上から視点の違い。福祉の良さ、寄り添い、居場所づくりもある、アメリカと日本の良さ、足して2で割りたい。
子どもたちと関わるとき、大切なのは子どもたちが安心して意見を言えること、一人の市民として、きちんと意見をきく。
環境教育について、いろいろ深く考えさせられる、そして行動を促す講演会と映画です。何とか上映会を開きたいですね。都合がつけば、佐竹さんもオンラインで対談してくださるそうです。
(文責:村上ひとみ)
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