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第16回 ひとづくり・地域づくりフォーラム in 山口  に参加しました

2022年03月04日

令和4年2月19日~20日に山口セミナーパークで 第16回 ひとづくり・地域づくりフォーラム in 山口 (主催: 山口県ひとづくり財団)が開催されました。大会はオンラインで開催され、オープニングトーク、開会挨拶などは全体会でしたがその後の実践事例発表や講義・演習は3~4会場の同時進行でした。後日、参加できなかった会場のビデオ放映が期間限定でHPから視聴できるようになっていました。

ここでは、私の参加したセッションについて、要約と感想を述べることとします。従ってフォーラムの全体を網羅したものではありません。うべ環境コミュニティーからも複数の方々が参加されたので、他の方からのレポートが掲載されることを希望します。
なお、下図は講義・演習D(下関市立大学准教授 天野かおり氏の講演から引用しました。本レポートの最後の項をご参照ください)

2月19日(土)9:30~10:00
オープニングトーク 「時代の壁に挑んだ吉田松陰」
萩博物館特別学芸員 一坂 太郎 氏
 吉田松陰の生涯と松下村塾におけるひとづくりについて、コンパクトにお話を進められました。私も山口県在住なので吉田松陰とその弟子たちの歴史上の活躍と業績については、一応知っているつもりでしたが、今回の講演で特に強調された松陰先生の「志」については改めて思い起こすところが多かったです。特に「人を引きつける」とは、どういうことなのかを考え直すことが出来たと思います。

2月19日(土)10:50~11:20
実践事例発表 1 企業の力を教育に! 「みやざきの教育」アシスト事業
宮崎県教育庁生涯学習課 課長 長尾 岳彦 氏
 企業が持つ専門性や人材などの豊富な教育資源を学校、家庭、地域のニーズに応じて提供する企業を「アシスト企業」として「みやざき学び応援ネット」に登録していただいている。(令和3年度で279社が登録している)
 「アシスト企業」の出前講義などのコーディネート数は、昨年度はコロナの影響で、コロナ前よりも数が減ったが、今年度は200件以上に達しているとのことです。
 県の教育庁が動いたから企業もスムーズに乗ってきたものと思われるが、企業のやる気を学校現場が足を引っ張らないように、特に気を付けていることがうかがわれました。
 主にアンケートによってこの事業の検証を行っているとのことでしたが、時間が短くて検証結果の詳細が紹介されなかったのは残念でした。

2月19日(土)11:30~12:00
実践事例発表 2 南っこサポーターは、南小の応援団!!
広島県府中南小学校 コニュニティ・スクール
学習サポーター 米田 珠美 氏
 府中南小学校コニュニティ・スクールは2021年度で実働7年目を迎えている。「学習支援」「学校環境」「家庭教育」「安心安全」をモットーとして、“いつ来て、いつ帰ってもいい”を合言葉にして、それを実現しているのは、本当にすごいことだと思いました。
地域コミュニティつくりは「共育」がキーワードであるとのご意見、全くその通りだと思います。府中南小学校のサポーター人数が30人~40人と言うのは、これまでの皆さんの努力の賜物だと思いました。

2月19日(土)13:00~13:30
実践事例発表 5 福祉と教育の融合を目指して!
一般社団法人 まちづくりうらそえ (沖縄県浦添市)
代表理事 大城 喜江子 氏
 講演者の一般社団法人 まちづくりうらそえ は「森の子児童センター」と「宮城っ子児童センター」の2館を指定管理者として運営にあたっている。
 週2回の学習支援(6時~8時の夜間開放)は まちづくりうらそえ のボランティアと大学コンソーシアムからの派遣ボランティアが支援を行っている。対象は中学生が中心。
 近隣中学校で教室に入れない子、問題を抱えた子たちの学習支援を、ボランティア2名(おじいちゃん)が担当している。また、近隣高校の単位不足で進級、卒業の困難な学生を受け入れ、当センターでの学校外学習・社会体験活動が単位取得になっている。また、週2回、食事提供も行っている。
児童センターにおいて中高生の問題を抱えた子供たちを、学習支援と食事提供によってサポートしている事例は、話をお聞きしながら大変な取り組みだと思うと共に、ボランティアの方々の献身的なご努力に頭が下がりました。また、指定管理の経費と職員厚生についてもう少し詳しいお話が聞きたかったです。30歳台職員に活動がうまく引継がれているとのお話で、うらやましく思いました。

2月19日(土)13:49~14:50
講義・演習 D 家庭・学校・地域の連携協働による家庭教育支援
下関市立大学 教養教職機構
准教授 天野 かおり 氏
 最初に文部科学省における「家庭教育支援」と、厚労省の「子どもの子育て支援」の区分けについてのお話があり、特に現行の教育基本法では家庭教育の支援努力義務に加えて、社会教育と別に家庭教育(親育て支援)を敢えて明記されていることが強調されました。
・ 「家庭教育の低下」が叫ばれ、共働き世帯が増加にしているが、しつけを心掛ける親は結構増えている。
・ 要保護児童の割合は増加する傾向があり、子どもは生まれてくる家庭を選べない(親ガチャと言われる)、経済格差が増大する一方で家庭教育の2局化が進んでいる。
・ 学校のスリム化も必要であり、そのためには学校教育支援チームの充実が重要である。
・ 学校教育支援チームは地域力に支えられており、地域力は地域づくりを通して蓄積される。
・ 子育てを終わった年長者は地域づくりに積極的に協力しよう。
全体の印象としては、家庭教育支援の位置づけの変遷、家庭表幾を取り巻く社会の現状などをしっかりとまとめられており、参考になりました。時間の関係もあると思いますが、教育における子ども達への愛をもっと強調していただきたかったと思います。
家庭教育支援が重要であることは重々承知していますが、根本は「自分の子ども達が小さい時から、親がどのような人生観をもって、人生の大目標に向かって日々、どれほど真剣に努力しているかを、身をもって示すことだと思います。親が何に最大の価値観を置いて、仕事をしているかを示すことは、子ども達を如何に大切に思い、愛しているかを示すことと共に、車の両輪のようにバランスの良い家庭教育を成り立たせる必須条件です。両親が子供たちを大事にするのは良いのですが、溺愛するだけで厳しいしつけを疎かにすると、子どもの発達の最初の段階でボタンの掛け違いが起こり、時間が経って子供が成長した後では取り返しがつかない事態に陥ると思います。」(H.U.)

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