大変遅くなってしまいましたが、今年2月に行われた昨年度第5回環境サロンの報告(その1)です。
2021年08月17日
2020年度第5回環境サロンはお二人のゲストをお招きして、資源循環型のものづくりをテーマにお話を聴きました。報告が大変遅くなてしまいましたことをお詫びいたします。
それぞれ内容があるお話でしたので、2回に分けて報告します。
まず益田文和さんは(株)オープンハウスの代表でプラスチック問題と竹の有効活用について、海外の最新の情報を中心に数多く紹介していただきました。
マイクロプラスチックまではいかないまでも、魚の胃袋に取り込まれたり、野生動物や白熊までもがごみ捨て場から食べ物をあさって、プラスチックも取り込まれること、エチオピアのハイエナや、ノバヤゼムリナのシロクマの映像などが紹介されました。
https://www.nationalgeographic.com/photography/article/animals-wildlife-plastic-pollution
右上:貧しい国であってもペットボトルで飲料水を確保しなければらない事情もあり、膨大なペットボトルが廃棄される、ダッカでの映像もありました。毎年90万トンものプラスチックごみが海洋に流出しているとも。
https://www.nationalgeographic.com/magazine/article/editor-letter-plastic-planet-waste-pollution-crisis
右下:ムスリムの国では土葬するが、コロナの関係で、ビニルシートで遺体をくるんで埋葬されるところもあるそうです。
自分一人の暮らしでも週2回のプラ収集で、1回あたり250gのプラ容器包装を排出するということでした。
日本の場合は焼却処分が多く、プラスチックのリサイクルといってもサーマルリサイクルが主ということです。
現在、世界的にワンウェイプラスチック容器包装を減らす対策が問題になっていますが、買わない使わない、捨てない汚さない、リサイクルする、プラ容器包装の消費を減らす、さらに経済の仕組みそのものをリデザインする、といった様々な段階での対策があることを示されました。
国内の事例として、50種類以上の分別をしている上勝町の例、花王・ライオンによる、フィルム容器から再度フィルム容器に再生する水平リサイクルをめざし、フィルム容器リサイクルの社会実装を進めるとり組みも紹介されました。
https://www.kao.com/jp/corporate/news/sustainability/2020/20200910-002/
その後、欧米など海外での先進的な事例が数多く紹介されました。
ペットフードのパウチの包装プラ リタ―ナブルのシステムでは、日本でも見られるような10袋10ポンドのキャットフードですが、5ポンドのリサイクルバッグを買って置き、これに使用後のパウチを入れて、メーカーへ送る仕組みもあるそうです。 https://purrandmiaow.com/products/purrcycle-pre-paid-pouch-recycling-bags?variant=20158014095449
プラスチックからアルミと良質なオイルを再生分離する技術もあるようです。 https://www.enval.com/
また、植物原料から作ったペットボトルをコカ・コーラが使用を予定しているとか、
https://ideasforgood.jp/2020/06/13/avantium-pef/
あるいは、デンマークには紙製のグリーンファイバーボトルのビールもあるそうです。
https://sustainablejapan.jp/2019/10/15/calrsburg-green-fibre-bottle/43012
その他、バイオプラの利用、ドイツでインドから輸入した葉っぱでトレーなどを製造、
メキシコの会社のリサイクルプラによる家具類、様々なプラスチックごみを原料にした様々な工芸品作り、菌床を革製品にリサイクルするインドネシアの会社、LOOPによる化粧品等の宅配サービス 容器のリユース、バルクストア、ボディシャンプー等の詰め替え店など。
こういったとり組みはイギリスが意外に進んでおり、日本は遅れているようです。
右上は神原町にあるバルクストアの写真ですが、宇部には2軒しかないそうです
それぞれの容器包装プラスチックの生産、流通、消費、再生利用のサイクルが主流になるための循環経済システムをいかにして構築するかはそう簡単なことではないように思われます。
われわれの価値観の変革が必要な今後の課題でしょう。
最後に、やはり自然素材が一番いいということで、もともとの木製の容器や、様々なざるやかごを目にすることもめっきり少なくなって来ました。
昔は対面で、竹の皮で包んだり、いちいち包装ぜず、ばら売りで売るとか、入れ物を持って味噌や醤油を買いに行くのが普通でしたが、ずいぶん変わってしまいました。
益田さんはインドネシアによく言っておられるようで、インドネシアのバンブーと日本のタケの違いについても教えていただきました。
熱帯地方 バンブー 株立ちで回りが4,5mある。竹のように無秩序には伸びない。中が空洞でなくつまっているものもあり、集成材も作りやすいとのことでした。
集成材は可能性があるそうです。
右下の自転車は骨格部分がバンブーでできている自転車であり、2,3年前にトキスマで展示されたこともあります。
以上が前半の部です。今回は短時間の発表時間で多くの情報を紹介しえいただきましたので、内容を十分に伝えることができませんでした。
1392 0
ツイート
この記事のURL: http://437338.fd6au1zn.asia/blog_view.php?id=5772
◆ 現在、コメントはありません。
この記事へコメントを投稿します。