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第3回読書感想会(12/19)の報告

2020年12月21日

第3回読書感想会の報告(2020.12.19開催)

12月19日第3回読書感想会in宇部市まちなか環境学習館が開催されました。今回は高校生1名、大学生3名、合計4名の皆さんがそれぞれ発表されました。
 まず高校1年生の西村美菜代さんが「風に立つライオン」(著者:さだまさし)を紹介され、特に感動されたのは、ケニアで麻薬をうたれ恐怖心をなくした状態で戦闘に参加させられて9人を殺してしまった少年兵ンドゥングがそのことで苦しんでいた時、当時その地に派遣されていた日本の青年医師、島田航一郎(後に戦闘に巻き込まれ殉職)から9人殺したならこれからは10人の命を救えばいいんだよと励まされたところでした。歌手で有名なさださんですがこんな作品も発表されていたんですね。
 2人目の大学1年生の藤本すずさんは「赤い高粱」(著者:莫言)を紹介されました。この作品は2012年ノーベル文学賞を受賞した中国の莫言の小説で、血なまぐさく、下品な表現も多く、夢とか希望を与えられる内容ではない。中国東北部で抗日戦争中、日本兵に撃たれて死に際の祖母の描写が実に詩的表現にあふれていたところが特に気に入ってこの本を選ばれました。その詩的表現に感動した箇所を朗読され、なるほどな、と実感できました。
 3人目の大学4年生の高野さんは「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」(著者:ブレイディみかこ)を紹介されました。英国のブライトンが舞台で、作家(母親)の目線で息子が入学した元・底辺中学校の日常が描かれたノンフィクション小説です。移民も多く、人種差別、貧困等によるいじめなど英国社会の内情が良く分かり、多様性とは何かについて考えるきっかけとなったそうです。[Empathy]エンパシ―(共感)-もし自分が相手の立場だったら。というキーワードの紹介もありました。
 4人目の大学4年生の廣田愛実さんは「フランス人は10着しか服を持たない」(著者:ジェニファー・L・スコット)を紹介してくれました。
 この本は「シック」(おしゃれ、上品な)がテーマで、どうしたら洗練された暮らしができるかについて書かれています。自分磨きの方法としては、語彙を増やす、本を読む、芸術に触れる。いいものを食べる等、身の回りを整える方法としては物を大切にする、身だしなみを整える、ブランド物より自分に合うものを選ぶ等いろいろ方法が挙げられているが廣田さんとしてはそんなに硬く考えないで「五感を働かせて自分らしく楽しく生きよう!」とのことでした。
 4人の方の紹介された本はどの本も興味深く、手に取って読んでみたくなる本ばかりでした。
 最後にまちなか環境学習館職員の私から、当館に新入荷した環境関連の5冊本の紹介とその中から選んだ「図解でわかる14歳からのプラスチックと環境問題」を紹介しました。この本は中学生でもわかるように図解を多くしてとっつきやすくなっています。100頁にも満たない分量ですが、基本的な事項はうまくまとめられています。ぜひ手に取ってみてほしくて取り上げました。
今回は前回参加された方も2人おられ、なごやかな雰囲気で進められました。
 本と人とが出会える楽しい時間でした。
                              文責  山本和毅

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