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11月8日第10回周南地区地域対話に参加し、周南市が取り組んでいる水素利活用の取り組みについて、学びました。

2019年11月15日

11月8日第10回周南地区地域対話に参加し、周南市が取り組んでいる水素利活用の取り組みについて、学びました。

今回の幹事会社は(株)トクヤマで、主催者として同社安達専務のご挨拶と、来賓として今年度市長になられた藤井律子さんのご挨拶がありました。

水素利活用の中心的役割を果たしている、(株)トクヤマより、詳しい水素事業についてのお話があり、また、久しぶりの工場見学もあり、大変参考になりました。

周南地区環境保全協議会には、(株)トクヤマ、東ソー(株)をはじめ日鉄ステンレス(株)等13社が加盟していて、大規模な周南コンビナート全体をカバーできているので、この地域対話にも、出席者184名中、自治会関係58名と、市民との関係において非常に有効な役割を果たしています。

前段として、(株)トクヤマ徳山製造所の主要生産品目の生産と塩の電気分解により生成するカセイソーダ、塩素、水素の関係を子会社を含めて、わかりやすく示していただきました。https://www.tokuyama.co.jp/csr/pdf/2018csr_report_j.pdf

山口リキッドハイドロジェン徳山(株)は徳山製造所構内で、水素の液化を行っており、講演頭終了後、現場見学もさせていただきました。

クアーズテック徳山 LSI・液晶ディスプレイ用フォトマスク基板等に使用される合成石英ガラス素材を製造する会社のようです。

しばらく現場と遠ざかっているので、貴重な経験で、一昔前とはつくられている製品も、この製造所に限ったことではないですが、随分変化しているようです。

水素は、主として、(株)トクヤマ徳山製造所の食塩電解プロセスから生産されます。原料の食塩はオーストラリア、メキシコ、インドなどから約100万㌧輸入され、13万㌧の貯蔵されているとのことです。

ちなみに、(株)トクヤマは約百年前にソーダ灰の生産からスタートしているので、その歴史を尊重して、国内で唯一このプラントが残存しているそうです。

製品純度を上げるために、食塩水の精製が丁寧に行われています。副生水素は年間13千㌧で、水素純度は最も高い部類です。

食塩電解工業における副成水素利用の現状については、以下をご参照下さい。
http://www.hess.jp/Search/data/28-01-016.pdf

(株)トクヤマは平成27年度から、環境省の地域連携・低炭素水素技術実証事業を代表事業者として主体的に取り組んでいます。
この実証事業の全体像については、以下の環境省のパンフレットで見ることができます。
https://www.env.go.jp/seisaku/list/ondanka_saisei/lowcarbon-h2-sc/demonstration-business/PDF/demonstration_detail_03.pdf

従前は副生水素を精製して、多結晶シリコン製造に用いたり、所外に出荷されるほか、石炭火力発電所の補助燃料や種子島のロケットの燃料として利用されていましたが、運転変動により放出していた水素をバッファドラムで回収し有効活用を図れるようになりました。

もとより水素は爆発に関する安全管理が非常に重要であり、漏れ防止、滞留防止、着火源対策に注意すべきことが示されました。

左上の写真は現場見学した水素液化プラントです。
ー253℃で、体積は800分の1になるそうです。
水素の密度を0.099g/Lとすると、4000万m3は3960トンになります。

液化水素のほか圧縮水素もあるので、このような形で有効利用される水素の割合がどの程度を占めるか定かではありませんが、先の13000トンに対する割合は30%強になります。

認識外だったのは、水素発生のポテンシャルは、周南市だけではなく、宇部小野田地区ではむしろ周南よりも大きいということでした。しかし、先の環境省のパンフにあるように、石油化学工業や石油精製からの副成水素は純度も低く、供給余力もない状況だそうです。      (つづく)

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