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高度経済成長期に代表的な高僧から聞き取られた貴重なメッセージをまとめた本の紹介です。
2018年09月23日
この本は著者が1972年から73年にかけて45,6才のとき、高徳、求道の名僧を直接訪ねられて、聞き取られたことを、晩年、2004年にまとめられた労作です。
高度経済成長期まっただ中の日本人に対する、10人の高僧の熱く、厳しいメッセージが込められています。著者である高瀬広居さんの「規範も倫理もない社会」に対する警告でもあります。
その後、半世紀近く経過して、いままさに、真摯にこれらのメッセージを受けとめ、明治維新、第二次世界大戦の敗戦によって、失われた、日本人の心を取り戻す必要があると思い、やや詳しく紹介します。
是非、原書を一読されることをお薦めいたします。
本を読んで、印象に残ったフレーズを書き出してみました。
共通したメッセージは、現代の日本人が大事な日本人の心を失っているのではないか、これからの世の中大事なのは利他心であること、我執を捨てることの大切さ、仏教は中道の精神で、死んでからのことではなく、人生をいかに生きるかが大切であることなど、仏教の基本的な教えを伝えようとしています。
さすがに、悟りを得られた方々なので、概ね長寿を全うされています。小さい写真であっても、ああなるほどこういう感じの人なのかと、参考になります。今は名前を入れると、写真がチェックできるので、とても便利です。
10人の中で、浄土真宗の僧侶が紹介されなかったのは気になるところです。
これまで、最澄の南都仏教への批判であったり、空海の十住心論でも、華厳宗は天台宗の一段上の第9段階に上げられているものの、三論宗は第7段階、法相宗は第6段階に位置づけられていて、法相宗などについては、どちらかというとあまり関心がありませんでした。
しかしこの本では10人のうち2人が法相宗の僧侶で、とくに橋本凝胤師が平安仏教や、とくに鎌倉仏教について厳しい批判をしておられるのは印象に残りました。
おそらくこれらの方々は僧としての厳しい戒律を守っておられるのだと思います。
その他、印象に残った部分の紹介です。
橋本凝胤師(法相宗)、山田無文師(臨済宗)は、明治維新に対して、仏教をダメにしたという厳しい批判をされています。
明治維新を契機に神道も変化し、廃仏毀釈で、長く続いた神仏混淆の伝統が大きく変質しました。たしかに肉食妻帯して世襲でお寺を維持するようなことでは、問題だと思います。
大西良慶師は教育の影響が大きいことを指摘されています。
また、いまの世界では力の強い者が好き勝手に大勢を泣かすことをしているが、これは畜生道の自由であると批判しています。
持続可能な発展のための教育(ESD)においても、このようなレベルでも、よく考えることが重要だと思います。
(文責:浮田)
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