奥原辰政先生の研修会に参加して、勉強させていただいたこと、感じたこと
2018年01月24日
(すでに概要のブログは薄井さんによってhttp://ubekuru.com/blog_view.php?id=4790 でまとめられていますので、参加者の一人として、浮田が感じたままのことを書かせていただきます。今回動画を記録していなかったので、聞き取りが正確でないところが多く、たぶん誤解している所もあると思います。お気づきの点があれば遠慮なく、[email protected] までお知らせ下さい。)
奥原先生のご一家は全員が山がお好きで、山口大学に縁の深いご家族だそうです。
いままで聞いたことがなかったですが、山口県教育委員会では、個人の成長を図り、豊かな人間関係を築くための体験活動としてAFPY(Adventure Friendship Program in Yamaguchi)に取り組んでいるそうです。
AFPYとは、「他者とかかわり合う活動を通して、個人の成長を図り、豊かな人間関係を築くための考え方と行動のあり方を学び合う、山口県独自の体験学習法」です。
十種ヶ峰青少年自然の家では、施設及びその周辺において、心の冒険サマースクール として毎年、以下の研修プログラムが行われているようです。
http://www.c-able.ne.jp/~seed-10/about/
こんな立派な施設があり、多様な研修プログラムが行われていることも知りませんでした。
①チャレンジプログラム 7~8月 8泊9日
対象:県内の小学5・6年生 32名
②クエストプログラム 8月 8泊9日
対象:県内中学1年生~高校3年生 24名
③ペアレントプログラム 8月 3泊4日
対象:チャレンジ・クエストプログラム参加者の保護者 10名
十種ヶ峰青少年自然の家及び周辺
山口県のこの取組は、20数年前に、県教委が、米国のOBS(Outward Bound School ) を視察して、取り入れたもので、アウトドア活動のための短期スクール
のことであり、世界で33カ国が取り組まれているとのことです。
日本では日本アウトワード・バウンド協会は東京にありますが、OBJ長野校や関西校などがあるようです。米国では2ヶ月のプログラムであるとのことでした。
13泊14日の指導者養成も20年前から県が継続して、最近希望者が増えてきており、定員に対して5倍くらいの応募があり、目標200名に対してすでに100名近くの指導者がおられるそうです。奥原先生のご夫妻も指導者です。
講演の中では、子ども達が山の中で生活する体験を通して、対人関係や自然の中で生きる知恵や技術を身につける上で、大切なルールを、「戸外の技術と倫理~Leave No Trace」として詳しく説明されました。
要は、出来るだけ自然に負荷をかけないように、キャンプの位置を決めたり、火の使い方に気を付けたり、誰も入り込んでいないような場所は避けるとか、水源を汚したり、野生生物に影響をあたえないようにするために、当然ごみは持ち帰るだとか、うんこやしっこの処理の仕方について、詳しく解説されました。
左上の写真は、果たして重い体重に耐えられるのか不安を感じるような木ですが、クマの住処らしいです。
右下の写真は、北アルプスのチングルマのお花畑ですが、ハイキングコースを外れて、中に入ってはいけません。
奥原さんが尊敬されている植村直己さんの写真や、三浦雄一郎さんの「老いは怖くない、目標を失うのが怖い」、ヘミングウェーの「能力と知識において賢くある秘訣は謙虚でいることである。」、葛西紀明の「また金メダルという目標ができた」 といった名言の紹介をされました。
奥原さんは山岳スキー、ロッククライミング、スキューバダイビング、自転車など、多彩なご趣味を持っておられ、そして何よりも、こども達との授業を通しての接触がお好きということでした。
お話の最後に、ストライダーのプロモーションビデオ「走りだそう」を見せていただきました。https://www.youtube.com/watch?v=R_P6tyX2GCI
全体を通して、「こども達は無限の可能性を持っている。その無限の可能性を引き出すのが教育者の役割なんだ。」 と言うことを感じさせられるお話でした。
ディスカッションの中で、奥原先生の、自然環境のとらえ方が、若干自分の考えるものと微妙に違うということを感じました。私は、仏教的な考え方で、人間も自然の一部であり、自然の中にあって自分が自然と一体化するということが悟りの境地などという、とらえ方をしています。奥原先生のとらえ方は、自然は人間の外に対峙するものとしてとらえておられるような気がしました。おそらくわれわれ旧世代の者は昔ながらの日本人の考え方だけれども、奥原先生の世代になると、知らずしらずのうちに、西洋的な自然のとらえ方になっているということではないでしょうか。
それと、先生を対象とした指導者研修プログラムは別として、こども達対象のプログラムは、一部の恵まれたエリート養成という限界があるように感じました。
しかし、ネットで山口県の指導者の一人である新内俊充さんのレポートを読ませていただいて、やはりこども達を対象にしたプログラムを指導する実践体験の中で、普段の学校で、こども達の自主性を引き出し、他の人の主体性も理解し、コミュニケーションニケーションをはかってチーム力を高めるための授業のやり方、まさにアクティブラーニングの技術力を高める役割があるんだなあと言うことが理解されました。http://www.c-able.ne.jp/~seed-10/pdf/tyoukikensyu/houkokusyo-h25.pdf#search=%27AFPY+%E6%8C%87%E5%B0%8E%E8%80%85%E7%A0%94%E4%BF%AE%27
新しい視点で考える機会を与えていただいた奥原先生に感謝いたします。 (文責:浮田)
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