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第2回教員と環境学習指導者の合同研修会が開催されました

2018年01月24日

平成30年1月20日(土)13:00~15:00ヒストリアうべ 第4交流室にて
講師 : 岩国市立米川小学校 教頭 奥原 辰政 先生
講演題目 : 「子供と一緒に山を歩こう」

・講師の自己紹介 山に入るのが好き 特に冬山が好き 夫婦で山に入るが、妻の方が体力が優れていて、後をついて行くのが大変
・アメリカのOBS(アウトワード バウンド スクール)に山口県から12名派遣された内の一人として2ヶ月間のOBSに参加した。 十種ヶ峰青少年自然の家で山口版のOBS「心の冒険サマースクールin山口」を指導していた。8泊9日のコースであるが、長野県では1か月のコースもある
・心の冒険サマースクールin山口 : 8泊9日  風呂に入らず毎日移動 バックパッキングは非常に重く体力が必要 「食べる・眠る・出す」の生活の中で「人間としていかに生きるか と言う力を与える」 「逃げを打つグループ」を「やってみよう」と言う集団に変える
・ペアレントプログラム 大人のコースで4泊5日コース  大人も子供も最初は集団生活で仲良くやっているが、必ず集団内で摩擦を起こし始める。そのタイミングで「ソロ」(単独でのテント泊)で孤独を味合わせ、その後集団生活がうまくいくようになる。
・教員対象の指導者育成のために13泊14日のコースがある。
・8泊9日の小中学生用プログラムは多くの生徒に体験させるのは困難なである。OBSから発展した学校で行うことが可能な手法は、「AFPY(アドベンチャー フレンドシップ プログラム)]であり、このプログラムの開発と実施に努力している。
・USAでの体験で「How to drop in the woods」を知り、この本を和訳して出版しようとしたが、既に翻訳本が販売されていた。また、「Leave No Trace」に関する、講演者の体験と実践を今日はお話ししたい。この詳しい内容は本日の講演配布物として参加者に手渡された。)
1.事前準備が大切 → 中でも、地域を知り、良いグループリーダーが必要、10人以下のグループを作ること、適切な装備の選択などが重要
2.丈夫な地面を選んで移動し、キャンプをする。
3.出したものは持ち帰る。 
4.持ち帰れないものは正しく処理する。
5.あるものをそのままに残しておく
6.火の使用を控え、火が環境に与える影響を最小にする。
・上記のキャンプ生活における主要な注意点を、豊富な経験に基づきお話しされた後で、子ども達の生き生きとした笑顔の動画を映して講演を終了した。

後半の質疑応答の要約
新谷: 奥原先生がこのような仕事に入ったきっかけは何ですか。
奥原: 大学の時に自転車クラブに入っていたが、先輩からキャンプへの参加を働きかけられ、参加してみると楽しくて、やみつきになった。
北見: 子供の成長過程を見ていると、小学生から中学生にかけてどんどん体力がついていく。奥原先生のプログラムはどの様な年代を対象としているのか?
奥原: 体力的な面では、小学校4年生以上を考えている。小学校高学年コースあるいは中学生コースなど。参加した子供だけでなく、親の考えを変えていくのが大切だと思う。食育なども大切だ。
近藤: 最近はやわな子供が多いが、自然の中でどのような危険に注意しているか?
奥原: 蜂に刺されるのが怖い。コースを1時間前に大人が先行して、蜂や熊などの危険動物がいないか注意している。ダニはついたら病院に行って取ってもらい、10日後に親が健康状態を報告する。蚊やブトはスプレーで対応している。
三好: 宇部市の小学校では全員が1泊2日の野外活動をしている。また、環境教育としてはごみの減量、コンポストを教えており、土のすばらしさを伝えていきたい。今の学校の中で、全ての子ども達に何ができるとお考えでしょうか。
奥原: 一人の先生がどんなに頑張っても限界がある。学校の教員だけでは限界があるので、外部の専門家を招聘して、学校と協力しながら子ども達に感動を与えるのが大切だ。
浮田: 野外の8泊9日のコースに参加できるこどもは恵まれている。全ての子ども達に体験させたいと思うが、何か良い方法はないのか?
奥原: 8泊9日のコースは参加者を広げることに無理がある。教室の中でAFPY(アドベンチャー フレンドシップ プログラム)を広めていく方向が良いと考え、現在指導者の育成中で約100名に達している。
浮田: 奥原先生のプログラムは、徹底して環境に対して影響を与えないという西洋流の思想に基づいている。私は自然に対する礼儀を重んじて、東洋的な自然と調和した行動をとれば良く、あまり厳密な行動で無くても良いような気がするが、いかがでしょう。
薄井: 環境に対してインパクトを与えない野外活動のあり方をこどもたちに体験させる上で、奥原先生のおっしゃるプログラムもありかと思います。但し、江戸時代もしくはもっと前から続いてきた里山における自然環境の維持と保全活動は、それなりの調和を保ってきたと思います。このような里山の環境維持活動はOBSの取り組みと併存していても無人は無いと思いますが、いかがでしょう。
溝田: 最近の子ども達は自然遊びを全くしなくなっている。本日のお話を聞いて、OBSプログラムをやることにつぃよい感銘を受けた。周囲の自然を教材にして、専門家を集め良い環境教育を進めていきたい。                 以上文責 薄井

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