「環境首都創造フォーラムin宇部」、3分科会「人づくり 環境教育 ESD」の報告です
2017年01月23日
1月18日、19日に湖水ホールで「環境首都創造フォーラムin宇部」が開催されました。全体会と分科会がありましたが、全体会はどなたかが報告するとして、私は3分科会の内で、「人づくり 環境教育 ESD」分科会に出席しましたので、この文科会の報告をします。
第3分科会は、1月19日13:00~16:20に、事例報告4件と参加者によるディスカッションが行われました。コーディネーターはくらしを見つめる会代表の内田洋子さんでした。
事例発表はその概要を以下に報告します。
1. ESD(持続可能な開発のための教育)の取り組み
環境省中部環境パートナーシップオフィス チーフプロデューサー 新海洋子さん
http://www.epo-chubu.jp/about/staff
・ 講演の最初に、「自己肯定感」の重要性について話されました。自己肯定感は、「自分を肯定する認識や感情」であり、人の評価にかかわらず、自分の良いところも悪いところも含めて、自分は自分でよい、ありのままの自分を大切にする感情であり、私たちは、この感情を大切にしなければならない。
・ 日本のこども達は自己肯定感が低い。自己肯定感が低いと自分の存在や生き方の意味づけや他者との関係つくりに弊害をもたらす。
・ 多様な人々により、自己肯定感が育まれる環境を作って行こう。
・ 自己肯定感に加えて、未来志向力、課題解決力、批判的思考力が大切である。
・ 揖斐川の上流から海に至るまでの環境を例にとり、「学校、企業、地域など多様なESDプログラムを実施しているステークホルダーと、あらゆる社会の場面で「公正で公平なコミュニティ空間を形成する人材」を育成していこうと、呼びかけられました。
2. 子ども達が運営するまち「とさっ子タウン」の取り組み
高知市市民活動サポートセンター とさっ子タウン担当 尾崎昭仁さん
http://tosacco-town.com/
・ 「とさっ子タウン」は2年に1回、高知市内のこどもたちに呼びかけて開催する、子ども達が運営する2日間のまちです。
・ 毎回、小学4年生から中学3年生までの400~500人のこども達が参加し、その内リピーターは約40%だそうです。
・ 子ども達は、とさっ子タウン市民となって、ハローワークで仕事を選び、仕事をします。仕事が終われば給料をもらって、税務署で税金を払います。お金は1トスが単位です。保護者は町の中には入れません。
・ 給料は町の中で使ったり銀行に貯金したりします。
・ お金を貯めたら自分で店も開けます。
・ 町では選挙が行われ、市長や議員も誕生します。議会で話し合って、こども達が町の運営を行います。
・ リピーターが成長して、ボランティアとして実行委員会に加わり、説明者の尾崎さんも「とさっ子タウン」の卒業生だそうです。
・ NPO高知市市民活動サポートセンターが「とさっ子タウン」実行委員会を支えていますが、経費は商店・企業などの寄付が主だそうです。
・ サポートする人たちの入れ替わり、開催経費の確保などがスムースに行われており、持続開催が可能なユニークな取り組みであると思いました。
3. 兵庫県加西市立西在田小学校 エコスクールの取り組みから
NPO法人環境市民理事・FEE Japan理事 下村季津子さん
http://www.kankyoshimin.org/
・ 環境学習プログラム エコスクール は1994年にデンマークで始まり、日本では2008年からスタートしました。
・ 先生、保護者も参加し、課題の決定から、調査、実行まで、児童・生徒が主体的に取り組むことを重視しています。
・ 持続可能な発展のための環境教育の世界的モデル(国連環境計画推奨プログラム)となっています。
・ 2011年、兵庫県加西市立西在田小学校は日本で初めてのグリーンフラッグ(エコ教育認証旗)をとりました。
・ 認証に至るプロセスは、下記の画像に要約されています。
・ 講演では、西在田小学校のエコスクール活動(兵庫県加西しにある全校生徒100人の小学校、山、川、田んぼに囲まれ、自然豊かな環境)の種々の取り組み(エコ遠足、川を取り戻す市域を巻き込んだ活動、環境学習発表会など)が紹介されました。
・ 特に、地域の人を巻き込んだ活動の展開、学年を超えた縦割り活動(低学年のアイデア・高学年の思いやり)、総合学習の狙いに沿った活動、などが強調されました。
4. スタディツアーの取り組み
宇部市地球温暖化対策ネットワーク 太田幹夫さん
http://ubeondanka.net/
・ 宇部市地球温暖化対策ネットワークが平成25年度から実施している水俣市および対馬市のスタディツアー(ST)の実施報告がありました。
・ 一般公募による宇部市の中学生10名と保護者がスタッフと一緒に2泊3日で対馬市を訪問して、環境学習を実施した経緯と実績の報告があり、隔年で相互が中学生を派遣する事業が続けられています。
・ 水俣市への相互派遣による体験学習の実績も報告されました。
・ 最後に、UNCCAの独自事業としての、周防大島町への小学生のスタディツアーや、宇部市の一般向け産業観光バスツアーについても、内容の説明がありました。
5. まとめ
今回の分科会は、講師の方々がESD、体験学習について熱く語られ、先進事例として大変興味深いものばかりでした。是非、各団体のURLから色々な情報を引き出していただくと、参考になることが多いと思います。 (HU)
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