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ユニークな視点から「心のエコロジーへの一歩」というお話を興味深くお聴きしました。
2012年09月30日
星野先生は医学部の医療環境学、医療人類学という異色の分野で活躍されており、まず、1980年代のご自身の研究の紹介があった。日本にもまだシャーマン(霊能者、おがみや)がいるそうで、平生は普通の人がトランス状態(神がかり)になって、人々の苦しみ(suffering)を癒す役割を果たしていた。医療と別に矛盾するわけではない。カウンセリングと違うのは、カウンセリングは相談者個人の心情を主に分析しケアするのに対して、シャーマンの場合は、より広い環境を含めたケア(関係性の気づき)を行う。生き霊は人間関係、方角は生活環境、厄年は来し方、先祖の霊は親族関係など、それぞれ具体的に意味のある関係性に対応している。沖縄や東北地方に比較的多いが、都市の占いも似たようなもの。医療は体の治療、シャーマンは心のケア、とくに関係性を重視したケアをしていることになる。
人々の幸福感と対人関係のつながりの度合いについて調べられた調査では、あきらかに両者の間には相関関係があり、つながりがゆたかなほど幸福感が高くなる傾向があった。興味あることに、宇部と山陽小野田ではアンケート結果がずいぶん違い、宇部の方が市民の関係性が薄く、幸福感が低い傾向にある。小野田は高齢者はさほどでないが、宇部は高齢者によりその傾向が強い。昔から宇部はよそ者が多く、小野田より都会型であるといえる。
かつて日本は神仏混淆で、神道(自然の恵みと脅威に対する畏敬)と仏教(個々人の苦しみの救済、関係性を重視した生命観・死生観)をベースにしたエコロジカルな精神環境であったが、明治維新後、神仏分離が進められ、西欧近代化システムへ転換された。
現在は、必要以上にSufferingとワクワク感をあおり、不安と欲望を増幅させ、グローバリズムの浸透、高齢化社会の到来とともに、日本はかつてない困難な状況に向かっている。
高齢化社会の到来は日本が世界にさきがけており、日本的エコロジーを再構築することができれば、将来的に、後を追ってくる国々に、そのノウハウ等を輸出することもできるかもしれない。
ディスカッションでは、ネットでのバーチャルな関係性について、多くの意見が出た。 ネットの関係性は希薄であり、身体性が大事である。実際、興味ある相手には遠くから会いにくることも多い。その他、個人情報保護法が関係性を阻害している面があるのではないか。家庭でお父さんが子どもに人生を語らない、欲そのものを議論したりすることもないなどの意見もあった。
また、意外に、都会の人たちを、宇部のシャッター街に案内すると、珍しく、絵になるらしく、喜ばれるとか。宇部は割に日本の縮図的な印象もあるが、上述の宇部と小野田の調査結果の違いとも考え合わせ、この銀天エコプラザでの議論から、日本的エコロジーの再構築の一歩を踏みだしたいものとの感じました。(2012.9.27館長)
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10月からは「世代間の対話」後期分をスタートします。第1回は10月6日(土)15:00-17:00アスガルアリさんのお話です。
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