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環境サロン「ごみと化学物質」第4回で西村誠さんのPRTRの話を聴きました。
2012年07月07日
7月5日(木)標記サロン昼の部に参加して、PRTR制度の経緯、意義などについて、これまでのデータの詳細な整理に基づいた話を伺いました。おそらくここまで徹底してデータを入手し、整理し、分析されている人は、国内でもさほど多くないと思います。この度の準備でもずいぶん時間をかけられたそうです。力作なのに、昼間は参加者が多くなく、もったいない気がしました。
世界ではオランダが最も早く1974年から制度が発足しています。日本では、1999年にPRTR法(化管法)が制定され、2001年から大気・水域(下水道は別途)への排出、・土壌への排出、事業所内埋め立て量や、事業所外への廃棄物としての排出量の自主的な報告がなされるようになりました。その対象になる第1種指定化学物質は354種類、移動出荷時に化学物質の情報を提供するMSDSの対象になるものは、第2種指定化学物質81種類をあわせて435種類ですが、平成22年度からはそれぞれ、462種類、562種類へと増えつつあります。
排出量の中では、大気と廃棄物が多く、対象業種のほか、国が別途推算する非対象業種・移動体からの排出量もかなり大きくなっています。山口県では対象事業所600前後、宇部は60事業所くらいで、山口県は化学工業が盛んで、水域、廃棄物などで、全国比が相対的に大きい。19年度はリーマショックの影響か、顕著に減少している。
9保健所管内ごとにデータ集計した結果から、山口県では大気、水域排出量、事業所外移動量とも、周南市が最も多く、宇部市はその半分程度である。また、単に排出量の大小だけではなく、物質の有害性を考慮した評価が必要と言うことで、大気排出量について、横浜国大の有害性の係数を用いて、リスク(=暴露(接触確率)×有害性(ハザード))評価を試みられた結果は、やはり周南市がダントツに高かったが、徐々にこの値も改善してきていることが示された。
これらのデータの活用をどうしたらいいのかが、重要であるが、さいわい宇部市ではRC対話集会を長年実施してきているので、西村さんの努力もあって、企業と市民の間のコミュニケーションもうまく行われていると考えられる。議論では、「最近はこういったデータは豊富に入手可能であるが、それをかみ砕いて、わかりやすく提供することがなされていないことが多い」、「市民と企業との対話が実のあるものであることにより、企業側にもいい緊張感があり、お互いの信頼関係の形成にも役立っているのでは」、「PRTRは別に罰則を伴う制度ではなく自主的なものであるが、ずいぶん実質的な成果を上げてきた」、「環境審議会の事前協議や指導に当たってもこのような知識は重要である」などの意見があった。(館長)RC対話集会については、http://www.ubekankyo.com/rc/
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