食育フォーラムの報告(その3) 児玉純子さんによる山口市における取組の話題提供と総合討論
2022年08月28日
小休止の後、河村千代さんの司会のもと、まず話題提供として、児玉純子さんから「山口市における食育の取り組み~小さな努力でできることかっらはじめてみませんんか」というお話をしていただきました。
河村さん、児玉さんはお二人とも上級食育指導士として、活躍されています。
児玉さんが本気で食育に目覚めたのは2人目の出産でした。お子さんは発達に遅れがあったそうです。黒石にある知的障がい児施設に勤めていたこと、また、食は命と学んでいて、子育てに不安はなかったが、もっと早く食について知っていたらと思い、これから出産するであろう若い方たちに食の大切さを伝えたいと強く思うようになったということです。
1人目のお子さんの通った大内小学校で、山口市の給食民営化反対の署名活動に関わり、それがきっかけで西本葉子さん達とともにやまぐち食育くらぶを発足された由。
子育てサークルや保育園、幼稚園、小学校、中学校などで食育講座をされてきておられます。食育の冊子をつくり、各保育園や幼稚園に配布していた時期もあったが、若いお母さん方は、冊子よりもSNS媒体の方がよく見てくれるので、方針を変えているとのこと。
そんな中で、お母さん方から相談を受けることも多く、感じている大事な点として、子育て中に悩みを持つお母さん方の話を聞いてあげられる人の存在が大事なこと。意外と親にも言いにくい、友達にも、本音で話しにくいこともあるということです。
悩みを抱えるお母さん方に、一人ずつでもそういう人がいたらいいな、そういう社会の余裕、許容量があることか大事だと思うということでした。
もう一つは、食育が大切だと訴えても、お母さんにそれを実践する余裕がないことが多いそうです。
子どもたちに、朝ご飯を食べた?と聞くと、食べてない子もかなりいたり、また大体パンが多いようです。児玉さんは日本人の体に合った「ご飯とみそ汁」の重要性を言われ、まずは1週間に1回からでもいい、できることから始めていくと、自分も子供のきっといい変化が表れてくるのではないかとされました。
発達障がいには限らず、食事は健康に大事なので、みんなでそういう意識を持てたらいいなと思う。「まごわやさしい」というお話を続けているということです。
それと給食ですが、山口市の「ゆうき給食の日」のモデル校として、仁保小学校で、色々の方々や秋川牧園の協力をいただいて、モデル事業が実現したとのこと。左下の写真は今年6月に1回目を実施した給食。あと2回実施予定だそうです、
給食の公会計化、納入業者を通さないと、いけないということで、色々調整が必要であったし、生産者がどの程度対応できるかも課題になる。これまで実現しなかったのは、学校とこれら地域の間をつなぐ人が誰もいなかったということです。
保育園は給食センタ-方式ではないので、比較的対応しやすいが、小・中学校となると、色々ハードルが高いということでした。
最後に、給食が変わると、みんな食べてもらえるという良さもある、とされました。確かにその通り、大事なことだと思いました。
なお スペースの関係で前後しますが、右側は、最後司会の河村さんから広報があった「夢見る小学校」の上映会が、山口県の4ケ所でおこなわれるそうです。近くではセミナーパークで10月8日(土)に3回、9日(日)午前1回の上映になっています
さて、総合討論の紹介ですが、司会の河村さんも、児玉さんも、前島さんのやってこられた取り組みには、非常に高い評価をされましたし、会場からの参加者の方々も質問の前には、たいへん感動したという感想を述べられました。
河村さんは。給食センターで、1万食にもなると、野菜を手で切ることはむずかしいので、水煮野菜を使ってしまう。、食中毒を防ぐために塩素消毒をすることもあり、考える必要があるとコメントされました。
会場やオンラインの参加者から出た質問と回答の主なものは、次の図に列挙している通りです。
中でも、前島さんの追加コメントとして、食事のほかに、お母さんの笑顔が子どもさんの安定に大事であるということ。それから、最後に言われた、あまり強く否定的な考えにとらわれ、ストレスになるのは避けなければならない。前向きにいい面を見て少しずつ取り組んでいくことが大事だという言葉は大変印象に残りました。
その他、電磁波の影響についての質問も、電磁波とミツバチ微生物の関係の関係など近い将来解明されるのではないかと思う。
また、河村さんが、前島さんの著書「輝きを取り戻す発達障がいと呼ばれる子どもたち」の中で、リストカットの子どもに徹底的に寄りそう前島さんの姿にびっくりしたという感想を述べられたのにたいする前島さんの説明もたいへん納得いくものでしたが、すごい度量が必要で、誰でもできることではないと感じました。
河村さんの、知育・体育・徳育の基盤に食育があるという認識も大切だと思いますし、われわれが、ESDうべ推進協議会を通して、目指すべき方向性とも非常に近いものがあると感じることができました。
先生方が余裕がない状況で、それぞれの生徒たちに、十分な対応をすることはたいへんであるということは、皆さんよく理解されているようでしたが、食育を通して、学校を支援して行く活動に取り組まれている皆さんの役割は大変大きいと感じました。
京都で、中学校の先生が多かったが、先生方が100人が集まって、前島さんと国光さんが話をさせてもらったこと、まず知ってもらうことが大事で、情報のプラットホームがあって、伝わっていけばいい。平和的にいいことを徐々に広めていくことができればと思う、という前島さんのコメントもありました。
また山口市で、児玉さんや西本さん達が、食育に関して、かなり先進的な取り組みを進められていることも知ることができました。
最後の図は、会場から質問のあった「夢の森フリースクール」のパンフレットです。
今回の食育フォーラム、内容の密度が濃く。まとめるのに大変時間がかかりました。
参加していただいた方々、みな満足していただいたのは何よりと思います。
今回ご協力いただいた方々、とくにたいへん多忙な中、貴重な時間を割いていただいた前島由美さん、児玉純子さん、司会を務めていただいた河村千代さん、ハイブリッドオンラインの手伝いをしていただいた山本裕子さんに厚くお礼申し上げます。
(文責:浮田)
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