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恩田運動公園のメタセコイアの植栽時期がやっとわかりました。
2022年08月13日
宇部は恩田運動公園をはじめ、メタセコイアを目にすることが多いですね。
いま、大体樹高20m以上のものが多くなっていると思われますが、いつ頃植えられたものかが、はっきりしませんでした。
今回、文献も落ち着いて読んで、ほぼその時期が判明したので、まとめてみました。
メタセコイアは針葉樹では珍しく、秋に紅葉して、冬は葉っぱを落とす、樹形のきれいな木です。日本各地に並木として植えられ、名所になっているところも多いようです。
公園内でどのメタセコイアがいちばん大きく育っているのかをざっと見てみましたが、なかなか微妙ですね。陸上競技場の周りだけで見ると、ソフトボールグランドのトイレ近くの2本のどちらかがいちばん高そうですが、大きさも含めると左側の木でしょうか。
運動公園への植栽時期は、おそらく1963年に開催された第18回国民体育大会に向けて植えられたのではないかと想像していましたが、確かに、1959年の俵田体育館写真には植木類は写っていません。恩田プールでの国体の写真には残念ながら、会場のみで並木類は写っていません。
しかし、上田芳江・山崎盛司共著の貴重な本をじっくり見てみましたら、2月18日、宇部木材協会の寄付を活かし、メタセコイア(樹高7m)39本を恩田運動公園に植えられた由の詳しい記録がありました。おそらく間違いないと思いますが、1962年の2月に植えられたものと思われます。万一間違っていれば教えていただければありがたいです。
さて、メタセコイア「生きている化石」と言われている所以を一村歩郁さんによる以下の記事から、少し説明しておきます。http://hotozero.com/knowledge/metasequoia_1/
三木茂博士が京都帝大講師の時代に、植物化石を調べていてセコイアやヌマスギとは異なる化石を発見し、それをメタセコイヤと命名し、論文にまとめ世界各国の研究者に送られた。
当時南京にあった中国国立中央大学の研究者胡博士が、湖北省利川市で神木として少数民族によって永年保存されてきたメタセコイアを発見し、アメリカの植物学者チェイニー氏とも協力して、世界に広める努力をされ、1950年に三木博士へも100本の苗木が送られたということです。
学校への普及については、教科書出版販売会社も大きな役割を果たしたとも。
百原さんの文献の中で写真上は、胡博士が発見したメタセコイヤの原生木。下2枚の写真は周辺数か所にもメタセコイアが自生していることを示しています。
水の条件に恵まれているところを好むそうです。
これら4枚の写真は、ネットで見られる、メタセコイアの原生木が見つかった湖北省利川市は四川省との境界近くにあるので、四川省の観光地の写真で、メタセコイアらしきものが写っていないかを物色してみました。左上は樹形が似た樹木が見られますが、広葉樹が紅葉しているのに、緑色を保っているのはメタセコイアではないと思われます。あとの3枚の写真にはひょっとしてメタセコイアかもしれないとも思われますが、いずれにしても素人では判断できません。
グーグルマップが自由に使えればいいのですが、中国の場合は観光用の写真のみが見られるだけで、時間がかかる割には、いい情報が得られないのは残念です。
宇部はメタセコイアが他都市に比べて多いのではないかと思いますが、その理由として、宇部の石炭がメタセコイア由来であるとする説も関係しているのかもしれません。
https://blog.canpan.info/bamboo-ymgchi/img/bouchou-14.pdf
(M.U.)
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