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メガソーラー発電の計画段階環境配慮について調べてみました

2022年06月20日

2020年度より、系統接続段階の発電出力ベース(交流)において 40MW(4万kW)以上のメガソーラー発電は環境影響評価が義務付けられるようになりました。

現在、山口県内では、周南市長穂のゴルフ場に設置が計画されている、77MWの太陽光発電所について、パシフィコ・エナジー徳山合同会社から計画段階環境配慮書が提出され、縦覧中です。

資源エネルギー庁の資料によると、環境影響評価の義務付けとともに、従来のFIT制度(Feed-in Tariff 固定価格買取制度)からFIP 制度(Feed-in Premium) に2022年度から変わることになっています。https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/fip.html

以下少しわかりにくいですが、ご参考までに、上記サイトからの引用です。

FIT制度では、電力会社が再エネ電気を買い取る際の1kWhあたりの単価(調達価格)がさだめられていますが、これと同じように、FIP制度でも、「基準価格(FIP価格)」がさだめられます。この「基準価格」は、再エネ電気が効率的に供給される場合に必要な費用の見込み額をベースに、さまざまな事情を考慮して、あらかじめ設定されるものです。
あわせて、「参照価格」もさだめられます。「参照価格」とは、市場取引などによって発電事業者が期待できる収入分のことで、その内訳については後でくわしく説明します。参照価格は市場価格に連動し、1カ月単位で見直されます。

この「基準価格」と「参照価格」の差を、「プレミアム」として再エネ発電事業者がもらうのです。つまり、再エネ発電事業者は、電気を売った価格にプレミアムが上乗せされた合計分を、収入として受け取ることになります。なお、プレミアムは、参照価格の変動などによって変わってくるため、同じように1カ月ごとに更新されます。

「バランシングコスト」については、経過措置として太陽光・風力発電において2022年度の開始当初はkWhあたり1.0円を交付し、翌年度からは少しずつ金額を減らしていくこととなっています。

パシフィコ・エナジー(株)は全国的にメガソーラーの大手として、主にゴルフ場跡地に多くの実績を有しています。ゴルフ愛好者の高齢化により、ゴルフ場の経営が苦しくなっているんですね。

同社のプロモーションビデオとして、岡山県の作東メガソーラー発電所の紹介がされていて参考になります。様々な環境配慮がなされている状況が解りやすいです。https://www.youtube.com/watch?list=TLGGI0KiGiW9W-swNzA2MjAyMg&time_continue=3&v=cyoFwBU6Hk8&feature=emb_logo

次の図で見ても10か所を超える大小合わせた防災調整池も設置されているようです。

この作東メガソーラー発電所がある美作市が、太陽光パネル1枚当たり50円の税金をかける条例を可決したが、総務省が待ったをかけたという新聞記事があり、ある意味びっくりしました。固定買取価格がまだそこそこ高かった時期に建設されていることが背景にあるということでしょうか。

経済性と事前保護は本質的に矛盾する面がありますが、無農薬で、太陽光パネルの下にも草が生え、防災調整池にビオトープの役割を兼ねさせることも可能であると思われます。

やはり、ゴルフ場と比較すると、降った雨が一気に流れることが、大きな環境影響であり、もともとある場内の池をそのまま残したり、地下浸透を適宜考えることも重要であると考えられます。

さて周南市長穂の太陽光発電書建設計画でありますが、錦川の向道ダムと菅野ダムの間の屈曲部に位置しています。

2021年度の固定買取価格はすでに相当低くなっていますので、作東メガソーラーのような十分な対策がとれるかは、より厳しい状況になっていると思われます。

作東に比べると周囲に影響を与える農地も比較的少なく、防災調整値の建設がどの程度になるのか、よくわかりませんが、既設の遊水地を残したり、流路途中で、浸透桝を設置したりする工夫も重要であると思われます。

再生可能エネルギー、風力も太陽光もそう簡単に得られるものではありません。省エネに気をつけたいものだと思います。
(文責:浮田)

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