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持続可能な人類文明の実現は可能でしょうか。

2022年06月06日

コロナ禍につづくウクライナ戦争によって、世界中が難しい時代に入ったと感じられ、様々、本質的な議論が交わされるようになってきています。

環境は文字通り、われわれを取り巻く全てのものととらえれば、大気、水、ごみ、騒音、自然環境といった狭い意味での環境だけではなく、社会、経済、情報、文化的環境なども含めたものだと考えられます。

日々の生活に追われ、じっくり考える間がない人たちも多く、ネットの世界では、フェイクも含め、膨大な情報の洪水の中で、本当に重要な情報を、ある程度時間をかけて、咀嚼し、行動に移していくことが大事だと思います。

ここでは、国の安全保障について、最近見聞した重要と思われる情報を紹介して、皆様の参考にしていただければと思います。

まず、元農水省官僚から東京大学に転身された、鈴木宜弘先生による、最も基本的な「食料安全保障」についての問題提起です。先生の力の入った動画について、”うべっくる”のTwitterで発信しても、若い人たちはちらっと眼には止めても、動画を見る人は残念ながらいないようです。https://www.youtube.com/watch?v=VokhjALAwPQ
23分程度の動画ですが、大変勉強になります。
以下のブログ記事にも、関連のデータなどが紹介されています。
https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g02082

次に、「経済安全保障」です。日本の経済がしっかりしていれば、食料自給率が低くても外国から食料を買い続けることができるかもしれませんが、この失われた30年の間に日本の経済力は大きく低下し、先が思いやられる状況になっています。
https://www.youtube.com/watch?v=LWq1wADZzEo

実質賃金は 1996年以来低下し続けています。2021年度の国と地方の借金残高は1183兆円になっています。さらに年に5兆円ずつ10年間で50兆円と言われる軍備増強予算も問題になってきます。

久しぶりに耳にする言葉ですが、エンゲル係数は2014年以来急激に上昇しつつあります。
ウクライナ効果でなお上昇するでしょう。

三つ目は、一般に言われるところの「安全保障」です。
一月万冊の論説とは対照的に、日本会議の方々の論説は、中国を仮想敵国と位置づけ、いたずらに、日中間の緊張関係を高めるものと思いますが、この意見に同調する人々も多いようです。

防衛大学校長も務められた五百旗頭眞さんの講演動画は耳を傾けるべきところがあります。https://www.youtube.com/watch?v=VnxDplDeNzQ

その中で、明治維新以後、日本が受けた不平等条約等に対するコンプレックス解消と国威発揚のために侵攻した日清戦争にも触れられ、中国の立場からすると、清末期に諸外国から蹂躙された中国のコンプレックス解消のために侵略行為に及ぶ可能性も考えられることとされています。

関連して、講演の中で、威海市劉公島の立派な日清戦争博物館があルことが話され、Google Mapで確認すると、確かに「この屈辱を、かみしめ、ここを出発点として中国四千年の夢を実現しよう」という看板が掲げられているようです。

宇部市と姉妹都市関係にあり、幾人かの研修生も受け入れ、また山口県と山東省も長年友好関係を保ち、人的交流を図ってきました。小生も何度か威海市や山東省を訪れたことがありますが、この博物館にはさすがに行ったことがありません。
このほかにも、山口大学と貴州省、宇部市と安順市の交流もありましたし、2008年度には中国青年代表団環境政策分団19名のJICA青年リーダーズ研修を受け入れたこともあります。大変よき時代でした。

講演の中でも言われていますが、2009年ごろから中国の方針が変わり、徐々に中国とは疎遠になってきたのは残念です。

プーチン大統領にしても習近平総書記にしても、権力の座が長くなると、強権的になりよくない上に、背後に、金さへ儲かればいいといった、邪悪な仕組みが働いていることも、問題かと思います。人類文明の持続性のために、もう一度人間としての『倫理観』を取り戻すことが不可欠のような気がします。(文責;浮田)

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