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昨日(4月18日)の地元紙に、環境関係の、エネルギー、生物多様性、ごみ関連の3つ揃いの記事が報道されていました。
2022年04月19日
まず17日の原発問題に関する小出裕章さんの講演会の紹介です。
久保記者の記事、大切な要点を的確に報道していただいているという印象を受けました。出席した者として、注意散漫で聞き漏らしていたこともあり、たいしたものだと思います。
付け加えさせていただければ、いのち・みらい うべ事務局長の岡本正彰さんは主催者としての挨拶の中で、小出さんの10年前の講演会で、宮沢賢治の「個性の優れる方面に於いて、各々止むなき表現をなせ」という言葉を紹介されたことにより、障がい者としての自分の勇気の源になったと述べられました。
また、上関現地報告として、上関原発の計画が浮上して以来、4000日も朝の辻立ちをして反対を訴えておられる小中 進さんのお話の中で、地元上関町長も原発推進、町議10名のうち反対は3名、県議47名中反対は7名と、県民の世論が非常に低調であることを憂いておられたのが印象に残りました。
始めに1986年4月26日に起きたチェルノブィリの事故について話されました。
示されたスライドで見にくかった部分はネットから借用して、同様の図を示しています。
ずチェルノブィリの位置ですが、ベラルーシとの国境に近く、最近よくニュースで出てくるキーウの北約90kmのあたりにあります。
放射性ヨウ素が甲状腺に取り込まれ、しばらく年数を置いて小児甲状腺がんが発生します。グラフはロシア、ベラルーシ、ウクライナの10万人当たりの発生数の増加状況が示されています。 ウクライナが意外に低いのは初期に待避措置がとられたことによるのかもしれません。
小出さん自体が、大阪府熊取町にある京都大学研究所で測定された空気中のセシウム137の放射能は事故後10日頃には 0..03Bq/m3程度と高く,その後徐々に濃度は低下するが、事故後30日には0.004Bq/m3程度のピークが観測され、これは地球を一回りして来たためではないかとされました。
そして、2011年3月に起きた福島第一原発の事故についての話になり、2号機の建屋自体は原型を保っているが、最も放射性ガスの放出が多かったこと、この事故で放出された放射能はセシウム137として広島原発は8.9×10^13Bqであったのに対して、15.3×10^15と170倍程度の放射能が放出されたということです。
また右側の図は、電気出力100万kWの熱出力は300万kWであり、うち93%は核分裂によるが7%は炉心にたまっている死の灰自身が出す崩壊熱であり、稼働中はもとより、事故後の原子炉も、また4号機に保管してあった使用済みの燃料棒自体もずっと冷やし続ける必要があるということです。
講演中に示された2011年11月の福島県から群馬県にかけての汚染分布図(左側の図)をURLで確認しようとしましたが、今は見ることができないようです。
参考に2020年10月のセシウム137の分布図を示していますが、濃い青の部分は6万Bq/m2~10万Bq/m2のところで、10年経っても除染が進んでいないところはさほど減っていない感じです。セシウム137の半減期は30年ですから、10分の1になるには100年かかるということです。
新聞記事にも書かれているように、小出さんが、管理区域の実験室から出る場合に実験着の汚染状況を調べて4万Bq/m2以上の場合は、脱いで汚染物として扱わなくてはならないと言われたように思います。
原子力緊急事態宣言も解除できないまま、今は処理水の海域放流が議論されている。トリチウムは水の分子に取り込まれるので、人為的に除去することはできない状況にあり、その影響についてもよくわかっていないことが多いようです。
一般の者には、理解の限度を超えているような気がします。
最後の方のスライドで、原子力村のことが指摘されていますが、国民一人一人が、「今だけ、金だけ、自分だけ」の価値観を見直し、また対立をあおり、争いではなく、相互理解により平和を目指す、その方向に努力する国を目指しものだと思います。
閉会の挨拶をされた横見 出さんのお話では、事故後神奈川におられた頃、小出さんが最後の方で示された、放射線ガン死の年齢依存性のグラフ(左上)を見て、当時まだ幼かった娘さんのことを思い、こちらに移住することを決心したと、話されたことも印象的でした。
一度事故を起こすとこれほど大変なことになること、廃棄物の後始末が大変困難であり、超長年月かかることなどか、後生の世代に負の遺産を残さぬよう、省エネ、再エネの普及にすべての人が自分ごととして、考え行動する必要があると思いました。
参加された方の印象は、わかりやすいお話で、いい勉強になったという意見が多く聞かれました。ただ残念だったのは、若い世代の方々の参加がほとんどなかったのは残念な気がしました。(文責:浮田)
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