第2回環境サロンの概要(その2)ミツヤ工業山本社長さんのお話の報告です。
2021年11月18日
ミツヤ工業(株)は1958年創業の土木建設業が主体の会社ですが、1989年から医療廃棄物の処理からスタートした環境事業部門が加わります。
SDGsにも熱心に取り組み、宇部市のSDGs団体会員(109団体)にも登録され、SDGs目標の1,3,5,9、11,13,15、16に関連付け、社員教育にも生かされているそうです。
土木建設関係は湾岸道路橋脚、真締川河川改修、参宮通拡幅、漁港高潮対策工事、下水道幹線改修などのインフラ整備で、公共工事関係が9割を占め、民間は1割程度ということです。医療廃棄物処理では山大医学部病院、国立岩国病院、国立広島西病院、小倉の病院などを対象に、宇部スチールへ搬入されます。
環境関連事業としては、その他 ①粗大ごみ・廃品・不用品回収、②遺品整理サービス、③車庫・総個の解体、④便利サービス(空き家管理・庭の手入れなど)があります。
粗大ごみ・廃品・不用品回収については、ゴミパックンというネーミングでHPで料金プランが提示されています。お気軽片付け、一部屋丸ごとプラン、二部屋丸ごとプランの料金プラン、その他単品プランが提示されています。
ミツヤ工業のHPはなかなか多彩で、職員のブログも掲載されていて面白いです。ゴミパックンのキャラクターもいいですね。http://mitsuya-k.jp/index.html https://gomi5389.jp/
空き家片付けごみの関係では3年前から宇部市の直営から民間の認定業者に移管された年間500件程度の問合せ、300件程度の受注があり、1件あたりの売上は1万円未満~50万円程度まで様々であるとのことです。
空き家片付けの例がいくつか写真で紹介されましたが、まず、事例1は、宇部市の生活支援課を通して受けたもので、生活保護を受けていた人が施設に移られ、空き家になった家の片付けの例です。 3人3日かけて 2トン車で7台分のごみを分別後、搬出し、50万円を超えたということです。市としても、これだけ大きな仕事は2,3年に1回ということでした。事例1-4の写真はおそらくこの家の一部屋から出た空き缶のようです。
生活支援課として、生活保護を受けている人で片付けのできない人を手伝う事例は年間に25件程度あるそうです。
事例2も同じく生活保護を受けている人の、住まいのごみの片付けで、3人が2トン車2台分を回収したということです。
事例3は、大家さんの依頼によるアパート借家のごみの片付けで、2人が2トン車1台分を回収し、料金は5万円だったそうです。
事例4はご両親が亡くなり、山口県東部に住むご子息の依頼で、比較的よく片付いていましたが。2人が2トン車4台でタンスを含むごみを回収し、18万円だったそうです。掃除もきれいにできています。
最後に、空き家ごみの課題と解決策について話され、まず課題については、① 粗大ごみが沢山残っていること、②費用が高額になること、③廃棄物を運搬する許可を持っていない業者に頼んでしまう場合があることを挙げられました。
ネットで検索してトップの③から⑤番目に出てくる業者は以外に許可なしの業者であることもあるそうです。当初3万円くらいで済むと思っていたのに、終わってみると10倍くらいの金額を請求されるようなケースもあるそうです。
解決策としては、市民側の立場からは、①定期的に行政サービスで粗大ごみを処分すること、②あらかじめ見積もりを取り、費用を準備しておくこと、③相談できる相手をみつけておくことを挙げられました。
質疑応答:
○許可業者かそうでないかどう見分けることができるか。回収したごみの処分先はどうなっているか。
→見分け方は、宇部市のHPを見ていただくあるいは確認することが 許可業者は150社、うち実際に2, 30社程度、そのうち空き家片付けをしているのは、5,6社程度と思う、
燃えるごみはkg13円で環境保全センターで受け入れてくれる。あらかじめ燃やせるごみ、燃やせないごみに分ける必要がある。
○回収されたごみのうち、有価のものはどの程度あるか
→現状ではほとんどないのが現状である。資源として鉄等の金属類、古紙は有価。
○法的には、事業系一般廃棄物になるのか。産業廃棄物になるのか。
→3年前から、家庭系一般廃棄物である。家庭系一時粗大ごみの許可証になっている。
○その前はどうだったのか。
→それまでは事業系一般廃棄物。空き家ごみは市が直営で市民からの注文を受けてやられていたが、十分手が回らない状況だった。東京都ではまだ許可が出ていないようだ。
○生活保護を受けている人の最初のケースで50万円以上係ったと言うお話しだったが、そのお金はどこが支払ったのか。
→宇部市である。
今回、生前整理と、遺品整理的なものの両面からお話しを聞くことができ大変勉強になりました。金銭的には、生前整理として荒ごみの日に少しずつ出す場合、まとめて自分で環境保全センターに搬入する場合、空き家ごみあるいは遺品ごみ整理として業者に委託する場合の費用を比較すると、日頃からこつこつと整理をしておくことの大切さがよく分かります。
まさに精神的、時間的、金銭的に「生前整理は感謝を残す。遺品整理は負担を残す。」ですね。今後こういった問題はますます大きくなってくるものと思います。
お忙しいなか、貴重な話題提供をしていただきました槌谷直美さん、山本守元さんに厚く御礼申し上げます。
なお、オンライン配信の不手際で、ご迷惑をおかけしたことをおわびいたします。
(文責:浮田)
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