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昨今関心が高まっている再生可能エネルギーのひとつ、「中小水力発電」についてご存知ですか?
2020年10月18日
昨今環境問題改善への関心が高まっている中で、皆さんも「再生可能エネルギー」という言葉を耳にしたことはあると思います。再生可能エネルギーは、エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律(エネルギー供給構造高度化法)において、「再生可能エネルギー源」について、「太陽光、風力その他非化石エネルギー源のうち、エネルギー源として永続的に利用することができると認められるものとして政令で定めるもの」と定義されており、政令において、太陽光・風力・水力・地熱・太陽熱・大気中の熱その他の自然界に存する熱・バイオマスが定められています。
引用:経済産業省 資源エネルギー省HP
「https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/renewable/outline/index.html」
今回は、その中の水力についてお話ししたいと思います。水力発電とは、水が高い場所から低い場所へ落ちるときの力を利用して水車を回し、水車と連結した発電機で電気を起こすという方法で行われています。
水力発電の仕組み(出典:建職バンク)
水力発電と聞くと、大規模なダムなどを想像する人が多いと思います。しかし、近年では「中小水力発電」というものが注目され始めています。大規模な水力発電に代わって発電量3万kW未満の中小水力発電が増加傾向にあるそうです。中小水力は様々な規模のものが存在しており、我々の身近にある一般河川の流れを利用する他にも、農業用水路、上下水道施設、ビルの循環水や工業用水を利用することも可能であるそうです。既に開発がされている大規模水力発電所と比較すると、未開発の土地・場所が数多く残されているため、今後の発展に非常に期待が持てます。
中小水力発電施設の例
また中小水力発電は、電力会社が発電された電気を一定価格で買い取る「固定価格買取制度(FIT)」の対象にもなっており、2012年のFIT導入後は順調に認定量が増加しており、最近では運転開始量も増加傾向にあるそうです。メーカー、地域主体の発電事業者などといった新規参入の拡大も見られ、再生可能エネルギーの普及という観点から考えると、とても良い傾向だと思います。
しかし、流量調査や環境への影響など長期にわたる調査が必要で時間が掛かること、水の使用について漁業権・水利権など利害関係が付きまとうこと、小規模であるが故にスケールメリットが働かず大規模な水力発電と比べて相対的にコスト高になる場合があるなど、本格的な普及にはまだまだ課題も残されているというのが現状です。
中小水力発電は環境への負荷が少なく、身近な場所で実施可能なクリーンエネルギーです。課題も多いですが、各企業が十分な水量・流速が得られない小規模な農業用水路や中央排出溝でも使用可能な新しい発電機を開発するなど、普及に向けた活動も進められています。持続可能な社会実現のためにも、今後の拡大に期待したいです。
(Y.Y)
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