8月29日(土)オンラインで2020年度第1回ESD研修会 「SDGsとESDを考える」を実施しました。
2020年09月15日
8月29日(土)15:00~ オンラインで表記ESD研修会 「SDGsとESDを考える」を実施しました。大変遅くなりましたが、概要を2回に分けて報告します。
まず宇部市SDGs推進センターの三戸敏彰センター長から、「宇部市におけるSDGs推進の課題」について話していただいた。
SDGsの前進として2001年に国連で策定されたミレニアム開発目標MDGsで8つのゴールと21のターゲットが設けられ2015年までに達成するとしたものであり、主として開発途上国の貧困撲滅を意識したものであった。SDGsはそれを引き継ぐ形で、先進国を含めて世界が取り組むべき持続可能な開発目標である。経済・社会・環境を統合的に、17のゴールと169のターゲットが設けられ2030年の達成を目指している。
宇部市は2019年6月に全国29の自治体の一つとしてSDGs未来都市として認定された。現在はすでに90自治体以上が認定を受けているようである。
国としてもSDGsは地方創生に関わるものとして位置づけられており、
自治体にとってのメリットとして以下の5点をあげられた。
①住民の生活の質が向上する
②様々な関係者のパートナーシップにより地域が活性化する
③課題の発掘・解決の手段となり、新たな価値の創造にもつながる
④強味・弱みを知るきっかけになる
⑤国際動向の把握
このSDGs未来都市に示されている2030年の宇部市のあるべき「まち」の姿では、これまで地域で受け継がれてきた共存同栄・協同一致を基調にして
①産業力強化イノベーション創出のまち、②健幸長寿のまち、③安心・安全で快適に暮らせるまち、④共に創る魅力にぎわいあふれるまち、⑤生きる力を育み子供の未来が輝くまち は第四次総合計画後期実行計画のまちづくりのテーマと同じになっている。
人財(英知)×宇部方式(対話)=持続可能なまちづくり で人づくりやパートナーシップの重要性が意識されている。
昨年4月から、SDGs推進センターをうべ産業共創イノベーションセンター”志”とこの中央町に併設し、今年6月からは芝生広場の北側に移設している。セミナーの開催やSDFsフレンズの交流等が行われている。
さて、宇部市におけるSDGs推進の課題として、・市民、企業への啓発 と・SDGsに資するビジネスの創出 をあげられた。
前者については、世界で起こっていることを知り、自分事として捉え、自分にできることに取り組み、次世代へ受け継ぐことを意識して、ESD的な活動をされている。
後者については、企業が社会的な課題をビジネス化すること、CSRとしてのSDGsではなく本業にSDGsを取り入れることを期待し、その意味ではスタートアップ企業の創出・育成を目指す必要がある。
コロナ禍で、
①都市化・集約化・グローバル化が社会の脆弱さ
②世界からいつでも」という物流モデルに疑問符
③「地域のものは地域で」、「自国のものは自国で」、「足りなければ海外に」という物流メカニズムの再構築の必要性 を感じたとされ、
2020年度は、コロナの影響もあり、啓発活動も昨年に比べるとやや低調にならざるを得ないとのこと。
外から見ると、市としてはあるべき「まち」の姿の①産業力強化イノベーション創出に重点があるような印象がある。
続いて、3人に、自分が考えるESDについて、自由に話してもらいました。
1人めは溝田忠人さんの「私の考えるESD」です。
ESDは持続可能な発展のための教育であり、文科省のHPより、環境・経済・社会の総合的な発展のための、防災、国際理解、文化財等を含む、知識・価値観・行動等を学ぶ広い学習プログラムである。
ESDはSDGsの教育の一部であり、内容的には全部を包含するとされた。
ESDの内容やイメージは多様であり、ESDに携わる者は多様な方法論を交流によって学ぶことが重要であり、それぞれ自分の手法を開示し、他のために役立てる協同が必要であるとされた。
私がESD教育のために重要と考える観点をこれまでの経験から述べてみると、
1)子供の成長・発達段階(幼児期~高学年)と教育内容
2)情動の重要性:面白いと思うこと、経験の大切さ
3)論理的思考:疑問とその解決への挑戦
絵にかいてみると、
出会い・発見(おどろき)があって興味をもって考え、さらに新たな発見につながるというサイクルをらせん状に繰り返し成長していくことになる。
出会いは漫画のこともあるが、自然との出会いがいい。興味を持てば考えるときに論理的な学問が必要であるし、新たな発展には目標が必要になる。
例えば、変な虫の写真を撮って、この虫の模様は何に見えるかな?虫眼鏡で観察してみよう! 曲がったカギ爪でどこにでもつかまれるな、 図鑑で名前がわかるかな
色々な気づきを話すうちに、子どもの気持ちが揺さぶられることが大事である。
二つ目は、わざと子どもと迷子になって遊んでみる。いつもの散歩でも、迷子になろうという一言で、冒険や不安といった子ども情動をくすぐり、いつもとちがう興味がでてくる。
三つ目は、自分の昔の体験で、子供の感じる疑問と解決について
地球は丸いから、反対側のアルゼンチンでは球は下から落ちる?
万有引力は実感できないが、磁力は実感できる。
衛星画像を見ている今の子どもたちはどう思うだろうか。
「宇宙の果てに行ってみたい!」 「ブラックホールに入ってみたい!」 「特許がとりたい!」など大人でもわからないことを平気で言う。身近な小さいことを疑問に思う経験が少ないから、耳学問で入ったものが自分の知識のように思ってしまうのではないかとのこと。
その他、発明クラブで長年やている学習プログラムとして、ソーラーカーの工作を通してのエネルギーの学習の紹介や、比重を測る装置で重力と浮力の概念を理解する学習の紹介をされた。
(第2報につづく)
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