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最近読んだ2冊の本の紹介です。1冊目は秋庭道博著「定年前に読むブッダのことば」佼成出版社 (2005年)
2020年08月10日
著者の秋庭氏は1935年生まれで、僧侶ではないですが、生き方に関する多く本を書いておられます。
以下、印象に残った部分だけ、書き出してみました。
最近世の中、せちがらくなり、ボランティアに対する期待は大きくなる反面、本来の無償ボランティアの協力を得ることは段々にむずかしくなっている現状があります。
この本の出版からすでに15年を経過していますので、状況はかなり変わっているかと思いますが、ボランティアの本質は変わらないと思います。
紀元2,3世紀に大乗仏教を確立した竜樹の言葉が引用され、「世のため人のため」は自分のためでもあるとしています。
定年後、すでに14年を経過した経験からすると、確かに、朝目を覚まして、何もするべきことがないとすれば、たちまち生活のリズムが乱れ、健康を害することは身にしみて分かります。
関連して、空海の言葉が引用されていますが、健康を害すれば、心も暗くなるので、出会うものすべて悲観的に見てしまい、逆にいつも前向きに取り組んでいれば、出会うものの中に宝を見つけることができるということでしょう。何よりも暗い顔をしていれば、人びとは寄ってこないでしょうね。
世代交代が図れず、四苦八苦している身からすると、これから、本格的に定年を迎えられる方々、単なる小遣い稼ぎではなく、これまで培われた知識や経験を生かして、社会に役立つボランティアの道を選ばれることを期待したいと思います。
昨今のコロナ禍や、地震、豪雨等の自然災害はもとより、人生さほど順調には行かないこともあります。高齢になると、様々な病気にも苦しむことが多くなります。
ここでは、先ず自分を取り巻く現実を覚悟を決めて受け入れることが大事であることが述べられています。
また、親離れできない子供や伴侶との関係も悩みの種になること多いでしょうが、最後はそれぞれ別人格として、一人生きて行かなくてはならず、くよくよ取り越し苦労をするより、自分のやるべきことを全うすることが大事である。実際には色々難しさが伴いますが、そういう自覚をそれぞれが持つ必要があるということでしょうか。
自分の人生において、目標にする人も、成長にしたがって変わってきますが、歳をとってくると、ブッダの教えが、心の安定をえるために良い目標になるのではないかと結ばれています。
現代の拝金主義的な余裕のない競争社会を考えるとき、大きな問題は、仏教にせよ、キリスト教にせよ、イスラム教にせよ、世界の人びとは科学の進歩とも関連して、素朴な、謙虚な宗教心を忘れたことがその基礎にあるのではないかと感じます。
この時代、宗教自体のあり方も変わる必要があるのかもしれません。(文責:浮田 MU)
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