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11月23日阿知須で開催されたクロツラヘラサギ国際シンポジウムのレポートです
2019年12月01日
11月23日、24日 阿知須の宇部72アジスパホテルで、クロツラヘラサギ国際シンポジウムinきらら浜が開催されました。
主催は、きらら浜自然観察公園の指定管理者であるNPO法人野鳥やまぐちです。
関連して、昨年11月に行われたリハビリテーションセンターの開所式の以下2件の記事もご参照下さい。
きらら浜自然観察公園でクロツラヘラサギ保護・リハビリセンタ-の開所式
http://ubekuru.com/blog_view.php?id=5021
松本悟さん(日本クロツラヘラサギネットワーク事務局長)の記念講演
http://ubekuru.com/blog_view.php?id=5022
まず、朝鮮大学校野生生物研究所の鄭所長のお話で、そもそもなぜ自分がクロツラヘラサギにかかわることになったのか、そのきっかけは1978年に祖国訪問の際に教材としていただかれた一枚の鳥の写真であったとのこと。1983年雑誌ニュートンから取材を受ける課程で、キタタキは朝鮮にしかいないとても貴重な鳥で、大きな反響があったそうです。https://www.facebook.com/zainichibanashi/posts/142043299272131/
キタタキは対島にも1920年まではいたそうですが、朝鮮半島と対島に固有の留鳥で、ツシマヤマネコとともに、朝鮮半島と対馬が昔、陸続きであったことを証明する生き物とされました。
1987年1月に朝鮮大学校で「第1回朝・日渡り鳥保護シンポジウム」が開催され、これを皮切りに、朝鮮から送られてきた2羽のクロツラへラザギから世界で初めて人工ふ化に成功され、1991年以来28年間で100個以上の産卵が記録されています。
1995年に韓国西海岸の平安南道徳島でクロツラヘラサギの2羽のひなにカラーリングをつけて放したところ、運よくその年に、1羽は鹿児島県の出水に、1羽はベトナムで見つかったそうです。出水に来たのは、ナベツルに紛れてきたと考えられるとされました。
ご参考までに、鄭先生が取り組まれてきたクロツラヘラサギに関する活動を抜粋して年表に示しています。
2011年のテレメトリー調査で、韓国から北朝鮮西海岸に移動することを確認されています。
朝日新聞(2010.7.2)には、平和・親善、南北越える渡り鳥として大きく取り上げられました。
右上の写真は1987年に北朝鮮から贈られたBFSのヒナについて、多摩動物公園に移された後も、人工飼育でどの程度まで生きられるか、見ると1羽は27歳まで、1羽は32歳まで生存中とのことです。
右下は、きらら浜自然観察公園内に設けられた傷病クロツラヘラサギの保護・リハビリ施設の1年前の写真ですが、人工繁殖のクロツラヘラサギが自然の中で餌をとっていけるかどうか心配なところでしたが、朝鮮大学校から借り受けた2羽が餌をとる様子を見て安心された由。
二題目の講演は韓国水鳥ネットワークの李先生のお話でした。
左下の図の棒グラフはこの15年間クロツラヘラサギの世界の生息数は増え続けていること、また折れ線グラフは繁殖ペア数も2019年で1478と増えていることを示しています。
右の図は韓国における2018、2019年の巣の数を見たものです。
2018年では17地点で119の巣、2019年では19地点1470の巣がありました。
それらの大部分は仁川周辺に見られます。
左上: 仁川広域都市南洞区における2009年には24の巣であったが、2018年には180と増加している。
左下: 南洞区では、さらに新しい人工島を建設し、BFSの保護に務めている。
右: Gujido島では、2018年220弱のペアが見られている。
しかし山羊が木の葉を食べ尽くして枯れ山になったためBFSの生存に間接的に悪影響を与えているということです。 (次に続く)
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