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11月10日市立図書館講座室において、宇部市主催の、宇部SDGsパブリックディベート大会決勝が行われました。

2019年11月10日

11月10日市立図書館講座室において、宇部市主催の、宇部SDGsパブリックディベート大会決勝が行われました。

予選での上位2校、慶進中学校と香川高等学校のチームによるプレゼンが行われました。

その他の参加校の参加者はほとんどなかったのは残念ですが、予選時よりも両チームそれぞれ更に進化した提案がなされ、大変参考になりました。

まず慶進中学校の提案です。パワーポイントにも一段の工夫が加えられ、中学生とは思えないような出来栄えでした。

提案の趣旨としては、市内でも170haというときわ公園10個分の放置竹林があり、竹の旺盛な繁殖力と、関係者の高齢化もあり、更に拡大を続けている。

この竹林を、バンブーフェスティバルを開催したり、企業や地域の理解も得て、整備すること。そして、竹を利用して、カーボンナノファイバーの製品開発を進めて、願わくば、プラスチックに代わるようなものになればいいという、これまた中学生離れした提案でした。

小学生にバンブーフェスティバルについてアンケートも実施したり、手伝ってくれる企業に電話をかけたりする努力もしたようです。

一方、香川高等学校チームは、食物調理科がある特徴を活かして、地域食堂を企画し、ごみの減量、食育の重要性、地域食材の利用、様々な地域の人達や企業との交流を通して、参加者全員の学びの場になるようにしたいという提案でした。

高校生に、生ごみ減量や地域食堂についてのアンケートも実施し、やはり意識改革が重要であると感じ、また藤山小学校へのアンケートでは、地域食堂には88%の人が関心を示したが、行ったことがある人は1.1%だったそうです。

宇部市へは、広報、地域連携、資金援助を期待したいとしました。

その後、双方から、質疑と意見交換が行われました。

・竹からつくるカーボンナノファイバーをつくるとき、竹の集荷、工場への運搬はどうするのか、価格はどうなのか。
  → 石油製品からは300円/kgに対して、400円/kgという情報もある
・バンブーフェスティバルの開催頻度は。 → タケノコの季節だけではない
・中学生はどういう形で関われるのか。 → 切った竹の運び出しなども手伝える
・竹林の保護と整備(伐採)のバランスを考える必要があるのではないか。
 → 間伐しても、竹の成長力が早いので、大丈夫だ

・地域食堂は具体的にどの程度開催するのか。 → 学期に2回程度
・好き嫌いやアレルギーもあると思うが、安全面はどう確保できるのか。
 → 学校には保健の先生もいる。安全面では保険をかける。
・他地域へ広げていくにはどうしたらいいのか。
 → まずはモデルとして、香川高校で成功例を示す。他地域でそのような動きが出れば、手伝いにも行ける
・地域食堂が、学びの場になるというのをもいうすこし説明して。
 → 食材提供者、漁業者などにきてもらって、はなしてもらったり、タマネギの皮で染色する事を学んだり、色々なことができる
・地域食堂というネーミングはもう少し工夫ができないか。
 → はじめは子ども食堂を考えたら、関わるのは子どもだけではないので地域食堂にした

再提案のための短時間の作戦会議のあと、相手チームの意見を受け止めた再提案が行われましたが、それぞれしっかり肯定的に受け止め、慶進中学校からは地域食堂へのタケノコの提供、香川高校からは、バンブーフェスティバルへの協力など、前向きな追加提案も行われました。


場内の参加者による、投票の結果、慶進中学校の優勝、香川高校の準優勝となりましたが、感想としては両チームとも立派な提案だったと思います。また、それぞれしっかりSDGsとの関連をとらえていました。

ディベートとしては、この提案に至るまでの過程がもちろん重視されますが、彼らが実際にどの程度このような提案の実践に参加できるかと言うことも重要であると思います。もちろん彼らだけでは、実践できないでしょうから、行政はもとより、地域や企業の手助けがなくてはかなわぬことでしょう。

しかし、ともかくも未来を担う若い人達が、地域の環境問題を幅広くとらえ、自らが進んで、解決策を考えたことは大変貴重なことであり、これを契機に思わぬ展開があるかもしれません。

今回の市の企画は有意義なものであったと思われます。

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