平成30年度持続可能な社会実現のためのESD研修会(反省と総括)続報です。
2019年03月26日
3月16日に行われたESD研修会の後半、ESDフォローアップ事業の部及びフリーディスカッションの概要をまとめました。
第2部は途中、当ESDうべ推進協議会の薄井事務局長が入院加療しながら、主導されたESDフォローアップ事業の成果の一部を、それぞれ担当していただいた6名の方々にプレゼンしていただいた。
案内がいつもながらぎりぎりになり、しかも内容の変更もあって、広報が充分ではなく、また大変行事多端の時期でもあったので、参加が少ないことが懸念されたが、26名の参加があった。
残念ながら、宇部市環境政策課、教育委員会からの参加者はなかったが後日確認したところ、後半に予定していた総会の部分を延期するメールで、このイベント自体が延期になったと誤解されたことが、原因のようであったので、ある意味ほっとした面もある。
2019年度ESDフォローアップ事業カレンダーですが、東岐波小学校、常盤小学校、上宇部校区、藤山・鵜ノ島校区、ディベート大会、里山ビオトープ二俣瀬の6地域で、かなり活発な活動が行われました。
そのうち、上宇部校区、ディベート大会は市民協働のまちづくり提案サポート事業とごみ減量アイデアコンテストの優秀賞賞金があてられましたが、それ以外は、宇部市の省エネ・環境教育出前授業や、山口県環境学習推進センターの講師派遣事業の利用の他、小野湖の水を守る会による支援その他のほか、関係者のボランティアによってなされたモノも多いです。ご協力いただいた方々に、この場をお借りして感謝いたします。
プレゼンのトップバッターは日頃ボランティアで色々ご協力いただいている宇部セントラルコンサルタントの植田敏史さんです。平日にもかかわらず、同社の社員白石輝智さん、池永廉さんとともに、東岐波小学校の科学クラブの児童に対してESDも意識しながら、よく工夫され、準備された、非常に充実した授業をされたようです。45分の時間の中でも、生態系ピラミッドを紙コップで表現したり、アンケートもとられたりもして、感心いたしました。
次の発表は、UKCの山根好子さんによる、常盤小学校における2回の紙芝居のお話で、1回目は5月のUNCCAの出前授業を利用した竜王山の嶋田さんからお借りした紙芝居を使って「アサギマダラ」のお話をした。それを契機にしてフジバカマを植えさせた。2回目は9月の水の旅のお話で、学習館で新たに作成された紙芝居「あっくんの大冒険」が使われた。その後、水道局の「水育」の実験もしていただいた。全体的に好評であった由である。
紙面の都合で一つ飛ばして、4番目の赤田博夫さんのプレゼンは、植え宇部校区で行われた、「食育」と「ごみ減量」を組み合わせて、工学部や高専の留学生家族との交流が図られた。市民協働サポート事業として実施されたものである。今回の発表で認識できたのは、7月と2月、2回の食育イベントに加え、留学生3家族、日本人2家族で3、4週間程度簡易脱水器を用いた水切り実験の、たいへん貴重なデータもとられた。中学生の家庭科クラブと連携してやられた由。
前後するが、3番目の発表は立川美香さんで、昨年度環境省事業の効果の評価検証をしたが、今回は宇部市の環境教育モデル校区として、藤山小学校・鵜ノ島小学校を対照にして4,5年生合計145名を対象にして、各小学校と環境政策課と連携して、ESDの7つの能力との関連を含めたアンケートを実施されている。まだ、最終の生徒達による発表の段階が終わっていないために、ごみ減量シリーズの前後の結果の比較を示すことできないが、鵜の島小学校の4年生と、5年生の事前アンケートの結果では。すでに5年生の方が4年生よりももったいない意識が育っている結果も得られている。
新たに認識できたこととして、すでに藤山・鵜ノ島両小学校で、一連のごみに関するシリーズ授業の中で、ESDのどの項目に関連するかなどが意識され、前後の一連の学習効果の評価検証についても計画されていたということであり、非常に注目すべき動きであるといえる。最後に、このような動きで重要な要素は、地域のエンパワーメントと、学校の先生の意識取組であるとされた。
5番目のプレゼンは山切睦彦さんで、昨年度やられたアカデミックディベートから方法を政策提言のパブリックディベートに変えられて、「ごみ問題と豊かな生活が両立する」、A.ありたい宇部のライフスタイル、B.生ごみ減量の二つのテーマを提示して実施された。目的は若い人に環境意識を持ってもらう、政策提言をしてもらうことである。参加校は、A.は慶進高校と山口学芸大が、B.は香川高校と宇部高専が選択した。大会は12月22日に行われ、1月16日に勝者山口学芸大学と香川高校のチームが市民環境部の管理職員8名に対してプレゼンした。活発な議論であった由である。
6人目の津島さんは、里山ビオトープ二俣瀬で11月に行った宇部工業高校生を対象に体験学習を行った際にとられた、7つの能力に対する自己評価の結果と、ESDとSDGsの概念図を示され、前者についてはそれなりの傾向は得られているがさらに質問項目の検討も必要であること、後者については少ない資源消費でも7つの能力を持った人材を育てていけば、SDGsが達成され、高いレベルのおいしい楽しいが実現できるのではないかと言われた。
ディスカッション
ディスカッションではこの点について議論が盛り上がり、以下のような意見があった。
○この協議会は関連の市の行政部局もメンバーになっている。今日はなぜかお三方とも欠席だ。もうすこし行政も本気になってもらうよう、強く働きかけていかなければならない。
○やはり人が変わっていくと言うことが大事。自分も若いときは、親父や近所のおじさん達がやっていた活動の意味がわからなかったが市民大学環境学部で学んで、いくらかわかるようになった。わかれば何か行動しなくてはと思い、UKCには入り、若い人たちが、思い出してくれるような活動をすることを心がけている。現在高専でアクティブラーニングを非常勤で担当し、その中でESDやSDGsにも触れる。ディベート大会への出場や、学生もどんどん積極的に変わってきたように感じる。
○相互理解がやはり一番の前提条件。理解したら、何らかの行動ができる。それを通して自分が少しずつ変わる。協議会と行政との関係もそうだろう。地道に少しずつ信頼を得るような活動をしていかれるといい。
先ほどの図の縦軸のおいしい楽しいは抽象的すぎて、「苦しいが、楽しみもある」といったようなことが表せるような指標を考える必要がある。
○9月に市会でESDについて質問した。この会合を知ったのは昨日のことで、もっと早めに連絡があるといいと思う。やはりみんなでやろうという気運が盛り上がるようにもて育必要がある。大事なことだと思うので、これからも頑張っていきたいと思う。
○やまぐち総合教育支援センターは県内の教員の研修などを行っている。 人口減少の時代、学校教育だけでは、こども達の教育は不十分になる。コミュニティースクールの充実が求められる。夏休みに教員の研修を行っているが、次年度は、山口大学教育学部の支援も受け、また教員だけではなく地域の指導者も対象にした研修を考えている。
○やはり広報は早めにしっかりやられたらいいと思う。パブリックディベートの結果もどう生かされていくのか、有効利用を考えられるべきだ。
○UKCで、ごみ減量化の調査をやったが、それを市民にどう伝えるか、ずいぶん工夫が必要である。関連して藤山小学校のモニター4家族の調査はしっかりしていた。これも環境教育の成果の現れであろう。
○先ほどの生ごみの水切りで、10%くらいしか減らないのかというのではインパクトがないが、2千万円の節約になるという情報であれば、減量等推進審議会でも、議論になると思う。
○関連して、先程の藤山校区での取り組みに関して、○生徒だけの教育だけではなく、保護者会などに発表するなども必要ではないか。ダンボールコンポストも親と一緒にやる機会をつくる。ダンボールコンポストも最近は利用者が少なくなっている。
→藤山小学校は校長先生もすごく熱心でこれらの情報も学校の掲示板でも割に頻繁に家庭に発信されている。また、ダンボールコンポストの生ごみも家から持ってこさせるようにしているので、家庭とも連携がとられている。1/2成人式でも家庭へのフィードバックが図られている。
○UNCCAが窓口になっている省エネ・環境教育出前授業全部でメニューは現在100件を超えるが、実際に使われているのはごくわずかの種類である。小学校から中学校、地域団体にまで対象が拡大されているので、うまく利用できるような工夫が必要である。
○参画団体の数を増やしていく努力も必要であると思う。予定時間も過ぎているので、これで閉会としたい。
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