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先日10月9,10日に実施した、水俣研修ツァーのレポート ごみ処理編です。

2018年10月14日

水俣市の20分別ごみ収集と、中でもとくに生ごみの分別収集に、重点を置いて、水俣研修ツァー初日16時過ぎから水俣市環境クリーンセンターを見学をしました。

水俣芦北広域行政事務組合の管理になっているようですが、水俣市のごみ処理の現状について、川端主事から説明を受けました。

組合との関係、H27,28年度の詳しい処理状況については以下の一般廃棄物処理計画で見ることができます。
http://www.city.minamata.lg.jp/Material/15182.pdf

平成4年の環境モデル都市宣言を契機として、平成5年3月モデル地区から20分別をスタートした。住民説明会を300回以上行ってわずか半年でH5年8月から市内全域で開始した。
 生ごみについては、早くも平成14(2002)年から分別収集を開始し、23分別になった。平成30年度からは、20分別になったが、生ごみ分別は継続、むしろ高齢化に配慮して免除されていた中山間部も追加している。

 なお、ガス化溶融炉はH15(2003)年度から稼働し、溶融スラグは建設材料として資源化されている。

生ごみ分別を開始してからはリサイクル率は40%以上をキープし、埋立処分率
も29年度、7.8%になっている。

H28年度からは事業所についても分別を義務づけ、28年度、前年度より418トン減、29年度さらに545トン減となっている。

とくに燃やすごみの量が、対前年度比でH28年度では5%減、H29年度では12%減と非常に優秀な成果を上げていることがわかる。

さすが、日本では唯一の環境首都(2011年に指定)。やればできるということである。

各家庭に配られるごみの出し方のパンフレットには、20分別の種類と、収集頻度、出し方のポイント、注意点、資源化の行く先などが詳しく書かれている。
http://www.city.minamata.lg.jp/Material/16640.pdf

宇部市の分別と大きな違いとして、ビン・缶の分別が水俣では、ビンが4種類、缶が3種類の合計7種類になっている。とくに生きビンは、一升びん、ビールびんのほか地元産の酒びんなどリユースに回されるもので、回収後の分別も手間がかかるのではないかと思われる。

布類(衣服)という区分も設けられていて、古着販売、輸出、ウエスに加工に利用される。そのため「月一可燃」の区分は設けられておらず、靴類は燃やすごみ、金属のついたバッグ類は破砕・埋立ごみに分けられる。

その他、化粧びん、農薬びん、耐熱ガラスなどは「破砕・埋立(不燃物)」へ出す、スプレー缶は中身を使い切り、穴をあけずに出す、綿入りの布類は燃やすごみに出す、リサイクルマークのついた電池は発火防止のために両極をテープで絶縁して出すとか、随分細かい注意が書かれている。

月1回の資源ごみ、不燃・粗大ごみについては、ステーション数309カ所、生ごみと燃やすごみについては、758カ所になっている。

H29年度における資源売却益は2303万円で、そのうち1060万円、拠点数で割ると34300円が、各地域に還元され、これが継続の源となっているとのことである。

なんと言っても、生ごみの分別収集が一番の目玉と思われます。

中間処理は堆肥化で吉永商会に委託されています。平成29年度では1168トンが収集された。

堆肥化においても、水分含量が多くては、良くないので、水切りをして生分解性の指定袋(10枚300円?)に入れて、出すことになっている。週2回、コンテナ車による収集が行われる。

詳細は定かではないが、焼却処理では6万円/トンのところ、堆肥化では2.5万円/トンでコスト的にも有利であるとのことだった。

さて、生ごみに関して、もう一つ興味ある取組は、平成29年度から生ごみ処理容器(キエーロ)の無償貸与事業であり、29年夏スタートして500機以上が設置されているとのこと。

5千円程度係ったようだが、いまはクリーンセンター内で組み立ても行われているようである。特別の土を入れるわけではなく、普通の土が、入れられていて、魚の骨も回混ぜている内に土の表面に浮いてくるとのこと。5年間ごみを入れ続けても、土の量はさほど増えず、とくに土をどこかに処分する必要もなく、市街部でもベランダにでも置けるようだ。

この容器を利用する家庭からは生ごみは自家処理されて、出ないことになり、ごみ減量に非常に効果的であると言える。

キエーロは水俣の専売特許ではないようで、関東でも一部使われているようです。
市街地の土の裸地が少ない住宅が多い宇部市も、ダンボールコンポストだけでなく、キエーロ導入も考えるべきかも知れません。

さて、資源循環という意味では、水俣市は宇部市よりもかなり先んじた優れた取組をされているが、水俣・芦北・津奈木の1市2町と宇部市を、市民一人、1年当たりのごみ処理経費を比較してみると、H28年度では、前者が18960円に対して、宇部市は12060円となる。規模の効果もあるだろうが、資源循環に対する我々の義務を果たすという面からすると、当然高く付くということになるだろう。

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