NHK 週刊ニュース深読み、「どうする♯核のゴミ」 (続報です)
2017年09月01日
前報につづき、高レベル放射性廃棄物であるガラス固化体がどのように発生するのかを示したものです。http://www.japc.co.jp/project/cycle/chisoushobun.html
使用済み核燃料は高レベル放射性廃棄物の主たるものですが、これは再処理工場で、プルトニウムを含むMOX燃料に一部再生され、そのプロセスで、廃棄物として液体廃棄物が出ます。
この日本原子力発電(株)のサイトによると、http://www.japc.co.jp/project/cycle/chisoushobun.html
これまでに発生したガラス固化体は、冷却するため、青森県六ヶ所村にある日本原燃(株)「高レベル放射性廃棄物貯蔵管理施設」で30~50年間貯蔵します。 その後、人間の生活環境に影響を及ぼさない、地下300メートルより深い安定した地層中に処分(地層処分)する予定であり、
青森県六ヶ所村に建設中の再処理工場で使用済燃料の再処理が本格的に開始(年間800t(トン)・ウラン再処理)されたときは、高レベル放射性廃棄物の発生量はガラス固化体に換算して年間約1,000本程度が発生するものと見込まれていると、
されています。
また、電気事業連合会のサイトによると、
日本では、原子力発電の使用済燃料の再処理を、イギリスとフランスに委託してきたが、この再処理から発生した高レベル放射性廃棄物のガラス固化体は1995年から、海上輸送により返還されている(これまで1830本)、と説明されています。
http://www.fepc.or.jp/nuclear/haikibutsu/high_level
同じく電気事業連合会のサイトによると、どの区にの場合もまだ操業開始にまでは至っていない。
番組では、調査の過程だけでも20年近くの長年月と、多額の費用を要し、簡単ではないとし、高レベル放射性廃棄物の地層処分の世界の動向として、ヨーロッパの例が紹介されました。フィンランドのオンカロは建設完成待ちの状態であるが、ドイツは30年かけたが、一旦決まっていた候補地ビュール村が白紙撤回になった。
フランスのビュール村の計画については、課題もまだ残されているようであるとのこと。
自分のメモが確かでないので、以下はネットの情報から、https://mainichi.jp/articles/20150507/mog/00m/030/009000c
「91年、仏政府は最終処分場の建設地に適した場所を決めるため、地下試験施設の建設計画を策定し、地質条件からビュールなど国内3カ所の候補地を選んだ。
地下に放射線を遮断する厚さ120メートルの粘土層があることなどから、98年に地下試験施設の建設が決まり、2000年に掘削工事が始まった。現在は地下480メートルに全長1290メートル以上の坑道を張り巡らせている。」
「政府はビュールの最終処分場をまだ認可していない。地下試験施設と最終処分場は本来、別の計画だ。」 としているが、
別のサイトでは、
「420mの石灰岩層の下に、厚さ150mの粘土層、その下は再び石灰岩層という構造。高レベル廃棄物を処分する場所とされるのは、真ん中の粘土層。1億6500万年前にできた。・・・早ければ2018年には処分場の設置許可申請、20年には建設が始まる見通しだ」としている。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201610/CK2016102502000132.html
以下 http://www.sankei.com/world/news/130609/wor1306090030-n1.html より引用。
「ドイツで高レベル放射性廃棄物の最終処分場建設地選びが混迷している。約35年間、唯一の候補地で調査を進めてきた計画を政府が白紙に戻し、場所選びを一からやり直すことを決めた。
政府がゴアレーベンの地下探査に乗り出したのは、コール政権時代の1983年にさかのぼる。激しい反対運動などが起き、「反原発」を掲げる緑の党が参加する政権下で探査は一時中止されたが、2010年にメルケル政権が再開した。
ただ、それでも反対は強く、政府は計画の白紙化を決定。今年4月、全16州と新たな候補地選定手続きに合意した。国内全域が対象でゴアレーベンも除外はされないが、探査が中止されたのは「公正さ」を期すためだ。これまで探査に投入した費用は16億ユーロに上り、いつでも再開できるよう維持管理に今後は年2千万ユーロが必要だという。」
視聴者からの反応は、イラストに紹介されているように、概ね妥当なものが多いと感じますが、中には、「自分の家の下にどうぞ」という、ある意味、無責任な意見も紹介されています。
放射性廃棄物の適正処分の実現に向けての、「科学的特性マップ」の是非については、以下の意見が印象に残りました。
http://www6.nhk.or.jp/fukayomi/goiken/commentlist.html?i=40897
「日本列島は地球上で最も変動する場所にあります。
主に東西に掛かる大きな力は、地下で巨大な力を岩石にも掛けていて、様々な変成岩が作られています。断層が繰り返し地震を引き起こす原因にもなっており、地下埋設処分場そのものが断層と同じ不連続の構造を作り出します。処分場そのものが活断層になるのです。
日本列島は、わずか6000年前には大海進によりほとんどの平野部は海底に沈み、2万年前には地球規模の海水面低下により、東京湾は陸化し古東京川が流れていました。
こんなに短い時間で急激に変貌する日本列島では到底地下に埋め捨てになど出来ないと思います。」
いずれにしても、安全な廃棄物の処理もできず、たとえ体制ができたとしても、何万年も安全性を管理しなくてはならないような、技術を使うこと自体が間違っているのではないでしょうか。
少なくとも、これらの廃棄物処理や万一の事故処理のコストも含めた原子力発電の電力コストで評価しなくては、健全な経済とは言えません。
(文責:MU)
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