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厚南地区ヒヌマイトトンボ生息代替地のモニタリングの経緯をざっと振り返ってみました。
2017年07月09日
中川ポンプ場の近くにあるヒヌマイトトンボ生息代替地は、湾岸道路、中川中小河川改修・浚渫、厚東川高潮対策の一連の工事に伴って、発見されたトンボ稀少種を保護するために山口県宇部土木建築事務所によって、建設され、長年にわたり管理されてきました。
一連の工事が終了後は、維持管理経費が確保できず、今年度からは20年近く継続されてきたモニタリングも終了を余儀なくされており、昨年度から、宇部市生物多様性応援団及びその関連団体が草刈り等の維持管理を行うようになっています。
今年度は、宇部自然保護協会が山口県環境保全事業団の環境活動助成を受け、その一部を用いて、草刈り、ごみ清掃、自然観察等を、宇部市多様性応援団、宇部自然保護協会、工学部、山口むしの会、小野湖の水を守る会などと連携して行われる予定で、うべ環境コミュニティーも活動に参加することになっています。
代替地の位置は厚東川河口右岸にあります。
ヒヌマイトトンボはヨシが繁茂する、淡水と海水が適度に混ざった湿地にしか生息できません。ヨシはヒヌマイトトンボがアオモンイトトンボなどの食害から身を守る隠れ家になり、幼虫期に適度な塩分の汽水があることで、他のトンボより生育しやすいとされています。
そのため、代替地では、塩水は厚東川河口部の満潮時の水が堤防の下を浸透して代替地に供給され、淡水は中川の内水位が高くなったときに導水路を通して代替地に供給されるようにつくられています。
筆者は、初期のモニタリング委員会から委員として関わってきました。
なかなか複雑な環境管理で、関連工事の進行や自然の条件にも影響を受け、また直接調査に携わるわけではないので、恥ずかしながら、いまだに完全な理解ができずにいるというのが正直なところです。
昨年度末に、県宇部土木建築事務所から最後のモニタリング結果の説明を受けたデータの一部を紹介させていただきます。
代替地の造成から4,5年経過後は順調にヒヌマイトトンボが観察されるようになりました。しかし10年を過ぎたころから徐々に減り、何らか有効な対策を考えなければならない状況にあります。
結局、中川の改修と浚渫によって内水位が下がることになり、淡水の流入が少なくなったこと、高潮工事により塩水の供給が低下した可能性が考えられますが、そう簡単ではありません。
代替地の地盤高と中川水位の相対的な関係、塩水供給水路の機能評価等の検討が必要であると思われます。 (文責:浮田)
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