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山口県ひとづくり財団主催の第12回人づくり・地域づくりフォーラムが先月2月11日、12日に開催されました。

2017年03月20日

大変遅くなってしまいましたが、環境保全分野でどんなお話があったのかを紹介いたします。

まず、山口県代表として下関の「ふくの森の会」の乗兼さんの発表です。「孫ポケモン、じーじボケモン、ばーばバケモン」、おもしろい言葉と、絵も得意な方です。

「ふくの森の会」は2000年の県の「里山文化構想」を契機に、森林ボランティアの仲間で設立され、内日ダム湖畔の2.15haの里山をベースにして、同好の士とともに、これまで3896本のクヌギ、コナラなど落葉広葉樹の植樹を市民力でされてこられました。

内日ダムの位置は、グーグルマップに示すあたりかなと思います。

この森をベースにして、様々な活動をされていますが、平成26年にははじめて植樹したクヌギ・コナラ7本を伐採して、ホダ木にし、シイタケを栽培したり、その他、炭焼き、バードウォッチング、昆虫観察会、もちつき大会などをして、市民や子ども達と一緒に楽しんでおられます。

シイタケは収穫まで2年ほどかかるそうですが、のこくずで育てたものとは味が全く違いとてもおいしいそうです。

このほか、国防の重要として一般の立ち入りが制限され、放置されていた火の山の森の整備・再生や、巌流島に黒松30本を植樹するなどの活動をされてきました。

火の山では一般市民も募集して、樹木にまつわりついた直径15cmにもなる大きなツタを除去したり、6年間かけて整備されたそうです。

年2回10ページでの会誌「ふくの森」を発行されていて、会員獲得や広報にも力を入れていると言うことです。

ただやはりこの15年以上の間に活動の中心となる会員の高齢化が年々進み、新しい会員の獲得が課題のようでした。

せっかくのフィールドなので、学校と連携して、体験学習の場として活用を図られたらどうかというアドバイスをさせていただきました。

東広島市の高美が丘中学校の加藤先生の発表では、生徒に、生命尊重の心・責任感・自主性・公共心を育てるために、教育の柱として、学校緑化活動の取組に長年力を入れていることが紹介されました。

同校は、全校生徒・教職員・PTA・森林組合・地域の方々の協力により,校内外の緑化・育樹活動に積極的に取組み,美しい学校づくり・地域づくりや、里山保全活動にも参加するという総合的な取組をされています。

たとえば、技術課の授業として1人1鉢の菊の栽培や、総合的な学習の時間で小菊のクッションマムを栽培し地域の施設へ寄付したり、1年生は1人2鉢のプリムラあるいはパンジー栽培、2年生はマリーゴールド、3年生は自己表現活動として華道や書道など、その他、森のホームスティやシイタケ植菌・収穫後家庭科で料理する、落ち葉清掃等の活動をしています。

また、特別支援学級の取組としては、トウモロコシの栽培とポップコーンの販売、タデアイの栽培と藍染、グリーンカーテンづくりなどをしているとのこと。

美化緑化委員会でも、花フェスタへの参加、水仙ロードつくり、山の日の集いへの参加など活発な活動が行われています。

また、修学旅行でも緑化に関わる場所を訪問するなどの徹底ぶりです。

これらの教育の成果として、生徒のコミュニケーション力や地域の評価についても向上していることが示されました。

高美が丘中学校の位置は、全体的には里山地域のようですが、地図で見ると新興の大きな住宅地域にあります。

高美が丘中学校は、緑化活動を、道徳教育やさらには生徒の生きる力をはぐくみ、持続可能な社会づくりの担い手を育てるESDの一環として位置づけられていて、こうした取組に対して。平成27年度 全日本学校関係緑化コンクール 特選 文部科学大臣賞を受賞しています。

大変立派な取組ですが、加藤先生のような経験と熱意が、転校や退職後もシステムとして引き継がれていくのかどうか、少し気がかりな感じがしました。

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