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第49回水環境フォーラム山口に参加しました。
2016年09月11日
「海洋生物を使った環境モニタリング手法」と題した渡辺伸一先生の特別講演、内容豊富で大変興味深く拝聴しました。
もともとは琉球大学でイリオモテヤマネコの研究をされたそうですが、福山大学に移られてからは、瀬戸内海に生息する様々な海洋生物を用いて、Ocean Ninja Monitoring Project を進められています。
はじめに、バイオロギングの例として、コウテイペンギンとキタゾウアザラシがそれぞれ実際にどんな潜水行動をとっているかの説明がありましたが、それぞれすごい潜水ができる十言うことでびっくりしました。
瀬戸内海の海洋生物でバイオロギングの対象として考えられている生物のうち、講演ではカブトガニ、ナルトビエイ、それからオオミズナギドリの研究について紹介されました。
カブトガニは、笠岡湾が有名でしたが、浅海部の埋め立てによって今はずいぶん減っているようです。山口湾でも2億年前から生存している重要種として、市民参加による調査が継続的に行われています。
ナルトビエイは、何となく小型の詠歌という印象を持っていましたが、瀬戸内科では最大の大きさに類するものということですが、山口湾のアサリの食害を与える最右翼と考えられてきています。
また、オオミズナギドリは、原発が計画されて問題になっている紙が席宇和島という無人島が繁殖地の一つであるということで、いずれも、山口県の重要な環境問題に関連した研究です。
カブトガニについては、国際的な研究もやられていて、ボルネオ島北岸のマレーシア、サバ州では、3種類のカブトガニが同じガザミ用の網にかかったりするそうです。
カブトガニは、日本でも漁師さんにとっては邪魔者ですが、渡辺さんが買い上げて、ロガーをつけて放流し、また捕獲できたら、同様に回収できるようにされているそうです。
温度や水位、加速度のデータから、カブトガニの行動がわかるそうです。
調査に使うナルトビエイは、釣って、網ですくい上げて陸揚げするそうです。右上のグラフのデータから、ナルトビエイの行動が解析されます。
岡山でもアサリは減っているようであり、アケマテガイ、大花むしろといった他の貝類が摂食されているようです。
オオミズナギドリは我が国の繁殖地を中心にかなり広い範囲を行動するようですが、越冬地はニューギニアなどの南方で生活するそうです。
このようなバイオロギングの調査研究は、様々な有益なデータを提供してくれますが、最近は海洋気象観測のデータを補うものとして、オオミズナギドリが海面で休んでいる時のデータを利用する研究も盛んに行われるようになっているということでした。
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