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温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」

2015年12月17日

 現在、地球温暖化は人類全体にとって大きな課題となっており、このままでは数世紀以内に極端な地球環境変動が起きる可能性があると言われている。

 増え続ける温室効果ガスの主体である二酸化炭素とメタンの濃度を宇宙から観測することを専用とした人工衛星が現在地球を回っていいます。

 それがGOSAT(愛称:いぶき)で、2009年1月23日の打ち上げ以来、観測を続けています。

 温室効果ガスである二酸化炭素とメタンの濃度を宇宙から観測することを専用とした、世界初の人工衛星です。

 全球にわたる二酸化炭素やメタンの分布や、温室効果ガスの吸排出量、季節変動や年々変動について、GOSATが観測したデータを解析することにより、わかってきました。

 「いぶき」が2012年12月までの3年半に取得した観測データを解析した結果、人口密集地域、大規模な農業地域、天然ガス・石油の生 産・精製地域等の人間活動による(人為起源による)メタン排出地域で、周辺よりもメタン濃度が高いことがわかりました。

 さらに、「いぶき」で観測された人為起源メタン濃度と、排出量データ(インベントリ)から推計された人為起源メタン濃度との間に高い相関関係があり、 「いぶき」には人間活動によるメタン排出量の監視・検証ツールとして有効利用できる可能性があるとのことです。

 GOSAT観測イメージ図(宇宙航空研究開発機構.より)

 「いぶき」観測データを使って、地上から上空までの「地球大気全体(全大気)」の二酸化炭素平均濃度を算出したところ、月別平均濃度は季節変動をしながら年々上昇し、平成27年5月に約398.8ppm を記録したとのこと。

 さらに推定経年平均濃度は平成27年7月に約398.2ppm に達したことがわかったそうです。

 このままの上昇傾向が続けば、月別平均濃度や推定経年平均濃度はともに、遅くとも平成28年中に400ppm を超える見込みとのこと。(P)

 「いぶき」による「全大気」月別二酸化炭素濃度の観測成果(環境省HPより)

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