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「水俣病の教訓と日本の水銀対策」の冊子を入手しました

2015年12月12日

 水銀、皆さんはこの重金属の名前を聞いてどのようなことを思い出されますでしょうか。

 身近には最近まで使用されていた体温計、そして血圧計など、そして今でも広く使われている蛍光灯、この中にはわずかですが水銀が蒸気の形で封入されています。

 そんな私たちの生活に古くから馴染んできた水銀、しかし水銀は人体に有害な物質で現在ではその使用が制限されてきています。

 しかし、かつてはその有害性が認識されず、多くの被害を知らず知らずに受けてきました。

 その代表例が熊本県水俣市で1969年に確認された水俣病です。

 その原因はチッソ水俣工場での化学物質生産過程で触媒として使われていた水銀です。

 金属水銀が使われていましたが反応過程で微量ながら有機水銀に変化し、これが工場の排水とともに水俣湾、そして不知火海へと流れでて、それを口にした魚類が体内で濃縮蓄積した。

 その汚染された魚類を捕獲、口にした鳥類、猫などにはじめ症状がでた。

 飛んでいた鳥が突然海に落ちる。

 猫が異常な動きを初め、興奮走りまわり海に飛び込んだり、火の中に飛び込んだりし始めた。

 そしてそれは次第に人たち、特に魚類を多く口にする漁師の家庭にその現象が出てきた。

 これらの異常は戦前から発生していたとの話もあった。

 原因が分からず、風土病、たたりなどといったそれでなくとも苦しむ患者に追い打ちをかける様な仕打ちも見られた。

 原因はチッソ工場、熊本県、国(特に通産省)の冷たい対応のなか熊本大学の必死な原因追究で間もなくチッソ水俣工場からの排水中の有機水銀であるとの結果がもたらされた。

 原因解明からすでに60年、多くの方が苦しみの中死を迎え、また今も多くの患者が十分な補償、そして治療を受けられることなく苦しみの中過ごしている。

 そんな悲惨な水俣病について、理解を深める為、また今もって海外では金の採掘、電子機器からの貴金属回収に無造作に水銀が使われ、多くの水銀による中毒患者を発生している。

 そんな水銀の国内での対策そして使用を国際的に規制していこうとして作られた「水銀に関する水俣条約」の作成過程まで記載されています。(P)

 冊子の表紙です。

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