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ある新聞記事とノーベル文学賞

2015年10月09日

 昨日のある新聞記事です。

 福島第一原発事故から4年以上が経過し、この大きな事故の関心が人の心から薄れてきているのではないか、という心配が消費者庁が2013年から年2回実施している調査で明らかになってきた。

 調査は2、8月の2回、東日本大震災の被災3県と東京、大阪などの都市圏に住む20~60代の5千人余りを対象にインターネットを通じておこなっているとのことである。

 その調査で明らかなってきたことを記事から下記に引用します。

 「人体の外にある放射性物質からの放射線を受けることを『外部被曝(ひばく)』、空気、水、食物などを摂取して体内に取り込まれた放射性物質から放射線を受けることを『内部被曝』」と言うことを「知っている」と答えた人の割合は45%で、13年2月の第1回調査(68.4%)から20ポイント以上下がったとのこと。

 食品中の放射性物質に関する単位がベクレルとシーベルトの二つあることを、「知っている」と答えた人も第1回の50.3%から40.8%に低下した。

 これらを含め、放射能に関する七つの知識を挙げて知っているかを尋ねたところ、「知っているものは特にない」と答えた人の割合は34.1%で、第1回の30.3%から上昇したとのこと。

 また、放射線が人体に与える影響に関しても八つの知識を挙げ、知っているかを尋ねたところ、「放射線の影響は、大人よりも細胞分裂が活発な乳幼児・子供・妊産婦(胎児)の方が受けやすい」ことを「知っている」という回答も、第1回の59.3%から43.7%に下がった。

 八つの知識のうち、「知っているものは特にない」という回答は35.2%に上り、第1回の18.5%から約17ポイント上がった。

 調査を行った消費者庁の板東久美子長官は「正しい知識を得ていこうという意識、態度が弱くなっているのではないかと懸念している。

 正しい知識を持つことを促進していけるように工夫しないといけない」と話しているとのこと。

 ところで、注目のノーベル文学賞も昨日発表された。

 残念ながらここ数年話題になっている村上春樹さん今年も逃してしまった。

 今年の受賞者はベラルーシ人の作家スベトラーナ・アレクシエービッチ氏(67)であった。

 授賞理由を、「私たちの時代における苦難と勇気の記念碑といえる、多様な声からなる彼女の作品に対して」とした。

 彼女の代表作「チェルノブイリの祈り」訳:松本妙子 岩波書店 1998年12月

 1986年4月26日未明に発生したチェルノブイリ原発の大参事から10数年後、彼女は事故の処理に当たった消防士(その多くは事故から1か月と経たないうちに放射線障害で亡くなっている)の遺族、そして汚染地に残る人たち、酒が放射線に効くからと毎晩酔いつぶれるほど飲みながら作業する作業員、汚染地に伝染病がはびこらないようにひたすらペットや野生動物を撃つことを命じられた猟師たちの話、障害を持って生まれてきた子どもたちや異常な放射能値を示す患者とともに生きる医師など、丹念に調査、インタビューして事故の衝撃、悲惨さをありありと映し出している。

 アレクシエービッチは「何度もこんな気がしました。私は未来のことを書き記している……」とことばを結んでいるがまさに福島の事ではないだろうか、福島の予言の書とも言えるそんな実感の湧く書である(P)

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