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わすれないで

2015年02月01日

 昨年は第五福竜丸事件から60年、関連の書籍が昨年多く発刊、そして復刊されました。

 昨日も関連図書を掲載したが、今回は児童書として第五福竜丸を扱った本を入手した。

 書名は「わすれないで:第五福竜丸ものがたり」です。

 1946年、和歌山県の古座に一人の船大工が戦地から戻ってきた。

 彼の家は小さな造船所、彼は大きな木造船を作りたいと思っていた。

 そこに舞い込んできた注文、彼は木材の入手から始め、丹精込めて一隻の大きな漁船を作り上げた。

 船の名前は第七事代丸、それから毎年太平洋に出てマグロを釣り上げていた。

 1953年、船は静岡県の焼津に移り、マグロ釣り漁船と改装され、名前も第五福竜丸と変えられて太平洋に出た。

 そして翌年3月1日、当時アメリカが南太平洋で盛んに行っていた一連の原水爆実験に遭遇、死の灰に見舞われた。

 焼津に帰港した時には大騒ぎになり、乗り組んでいた船員23名はすぐに入院となった。

 そして悲しいことに船員の一人、久保山愛吉さんは放射線障害によって半年後に死亡した。

 船は、その後一時東京水産大学の所有となったが、最後には廃船となり、夢の島に打ち捨てられた。

 しかし、放射能被爆の生き証人として保存運動が始まり現在では東京の夢の島公園内で永久に保存されることとなった。

 そんな数奇な運命をたどった船の物語を子どもたちにわかりやすく、大きな挿絵とともに書かれている。(P)

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