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福武財団助成活動成果発表大会の続報です。

2014年12月03日


 二日目午前中、藻谷さんの基調講演があり、まず最近は全国を飛び回って講演が多く、今回久しぶりに色々な話を聴いたとのこと。
 はじめに、日本の足を引っ張る要因として、①子供の数が減る、②エネルギーの使い捨ての限界、③貯金が使われずに眠っている を上げられた後、基本的には将来の地域の人口構造がどうなるのかのデータ分析を話された。瀬戸内海の島はもとよりであるが、意外に東京もきびしい。また海外では中国もきびしい。若い女性の職場進出は出生率を下げるよりむしろ上げる傾向がある。

人口増減問題、数の議論で、質のことは問わないのは不満がある。全般にやや表面的な印象がある。予定表を見せ、いかにいま喋りまくっているか、昨日は久しぶりに話を聴いたとのこと。出椅子チャージばかりしていると、どうしてもやや話は雑ぱくになる。
 午後のバスツァーで、人文学の研究者から、ある意味で、藻谷さんは、現場を知らない経済学者を批判するが、彼らも五十歩百歩とのこと。張り付いて定点観測したら、もっと深刻な文化破壊があり、もっと危機感を持たねばという意見。なるほどと思った。

続いて、北川フラムさんから、代替「里山資本主義」に書いてある内容だった。アイスブレイクになるのか。アイスピックくらいではないかとの辛口の意見。しかし、アイスピックを続けてほしい。緊急雇用や、地域おこし協力隊の予算が無くなれば、ぽしゃることになるのではないか。アーティストにもお金が回らなくなるだろう、との感想か述べられた。

パネルトークでは、
北川: いまどき人気あるものは危ない。もっと深刻な状況になるのではないか。
藻谷: 基本的に自分は楽観的。30過ぎて、自分の得意技で生きていけること、高齢者も自分の得意技で関われることが大事。地域のサバイバルノウハウが大事。
 若い人手仕事ができなくなっている。アーティスト、体を動かせるアスリートが比較的強み。
北川: 調理師や美容師もいい。とくに調理師は地産の食材を使うので、お金が回る。それから最近、若い女子力が目立つ。十日町では10人ほど、農業女子を募集した。その女子が地域の若い男の素朴な知恵に感動することもある。女子が積極的に男子をリードしてゲットする時代になった。

・アーティストは何も定着しなくてはという観念にとらわれず、もっと遍歴してもいいのでは。2日は地元で、5日は他でと言う暮らしでもよい。
・「もっとはたらかなくてもいいように頑張ろう」といった価値観も出てきている。彼は、もとITの世界で働いていたが、池袋でオーガニックバー、千葉で農業とアートをやっている。
・最近「フルサトをつくる」という、若い職人2人が出した本が面白かった。
http://pha.hateblo.jp/entry/2014/04/27/224041
・年100万円、週のうち半分地域で農業に費やし、あとはほかの過ごし方をするという需要はある。地域はそれは払えるだろう。
まあ結局、マネー至上主義になっていることが問題、人間を平均化してしか見ないのも問題、手間が掛かる、みんなちがっていいと言うことが大事。これはアーティストの持ち分だろう。


 最後の総括として、
・池田さんだったか、瀬戸内海地域も世界の文化の流入路としての歴史的位置づけを明らかにすると言うことは大事という補足意見もあった。
・小林康夫さん(文化芸術による地域振興部門選考委員長)
 アートは思いつきでなく、クリエイティブであること。不十分な場合は、勉強が必要である。
・稲田さん(瀬戸内海文化研究部門選考委員)
 新しい人にも助成、どう交替するべきか。もっと深い切り口が必要であろう。 
とくに小林先生の意見が的を得ていると思われたので、ネットで調べてみると、東大の人文学の名誉教授とのこと、退官記念のインタビウ記事が参考になるので、ご参照ください。
http://www.utnp.org/special/Kobayasi20141014.html

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