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溝田忠人先生の環境サロン「省エネルギー対策の重要性について」の概要をまとめました。

2013年04月03日

 3月27日、平成24年度最後のサロンでしたので、少し長くなりますが、詳しく紹介します。
 まず自己紹介として、昭和16年東京生まれだが、4歳で終戦の年の3月に広島県に引っ越してきた。三次に住んでいて、5歳になっていたが、原爆の光を見た記憶がはっきり残っている。終戦後は豪州兵が来て、江の川の河原でキャンプをして手榴弾を爆発させ、魚を捕っていた。住民の人はその魚を拾ってきて、渡したりしていた。兵隊はキャンディーをその後、東北大学に進み、大阪大学理学部の博士課程に入ったが、新潟大学の助手になり、ゼオライトの研究などをした。そのころ、看護婦の夜勤問題で教職員組合が運動をしていて、夜勤が月13,4日もあったのを8日以内に抑えることになった、そういう時代だった。そのとき看護婦さんからこどもを寝かせるときに子どもの舌に睡眠薬を少しのせて眠らせて出勤するということを聞いてびっくりした。その後、山口大学の資源工学科に移り、終盤の十数年はゼオライトを用いたヒートポンプの研究開発をした。もともといろいろなものを組み立てるのが得意で、吸着熱の精密測定装置を制作した。

 環境学習館では、この年間12回の独自の環境ゼミをレスターブラウンのWorld on the Edge ~PLAN B4.0 という英語の本を、毎回2頁ずつ、また新聞の切り抜きを毎回10枚程度ずつ教材にして実施した。切り抜きは、朝日、毎日から2,3種類をA3の広告紙の裏に貼ったもので、1年で115枚にもなっている。題材は環境、エネルギー、新技術等である。これは放送大学の講義の延長として、聴講生の要望に応えたものである。
 再生可能エネルギーの開発には、いろいろな規制緩和が必要であるように思う。たとえば風力だと、環境影響評価、農地法による転用手続き、地熱発電だと温泉法による許可、太陽光は保安規制など。全体としては電気事業法、それから送電線接続の問題がある。
エネルギーはわかりにくい。エネルギーのいろいろな側面から、身近な例から考えてもらうのがいいと思い、暖房の効率、人の出す熱、節水効果、風呂の残り湯のヒートポンプによる有効利用などをまとめている。

 先日のコミュニティーパワーの会議で、20世紀型は大きいコミュニティー、21世紀型は小さめのコミュニティーを見直さなければならないという意見が示されたが、エネルギーや食料について、重要であると思う。これについて、人間の本質について考えることは、人間は本来もっと小さなコミュニテイーで折り合いをつけて生きるものであって、大きなコミュティーをコントロールできる能力をまだもちえていないのではないかということである。今はコミュニティーが大きくなりすぎ、人間にとってはストレスが大きい。たとえば大会社の経営者は会社がつぶれると大変だから、ストレスが大きく、内部留保金も大きくなってくる。

質疑応答
・イベント時にアンケートをしてきたが、温暖化のことはたいていの人は知っているが、実際に実行している人は半分くらいというところだった。CO2を減らすと言っても、やはりお金が節約できるとかないと、なかなか実行できない要に思う。
・テレビの待機電力はワットメーターで電力消費を計ると、30W位あってびっくりしたが、コンセントを抜くと設定が変わってしまう。そうならないような技術開発も必要ではないか。 (C:我が家ではエコタップを使って切っている。)
・これから日本も貧乏になって、あまりエネルギーが今までのように使えなくなるのではないか。それでいいのではと自分は思う。
・主婦としてはすでに家計の節約のためにやっている。
・テレビの深夜番組をやめてるべきではないか。
・若い人は高齢者よりテレビはあまり見ていない。
・若い人が携帯とかネットに依存するのは、コミュニティーの大きさにも関係しているのではないか。情報過多の面もある。現代社会でのストレスによって、いろいろな依存症が出てくる。限度を超えないように、ほどほどにする必要がある。
・各国の軍事費の推移の比較を見ていると、アメリカの軍事費の額と増え方は顕著である。軍需産業を支えるために、みんなががんばらなければならないという異常な社会ではないか。
・最近は職場の締め付けも増えているように思うが、残業を罰則付きで禁止したら、かえって仕事の効率化が進んだ会社がある。
・やらなくてもいい無駄な仕事も結構ある。仕事の見直しが常に必要だということ。
・日本的な伝統で、それぞれが自分の仕事をふくらませてやって、全体がうまくいくというやり方だったが、最近はマニュアル化が進んできた。また四半期決算をしなくてはならなくなって、しんどくなっている。
・企業組織も大きくなりすぎているのではないか。持続可能な社会づくりの経営学が必要だと思う。
・東京大学の省エネ対策で、電気代そのものの節約の金銭効果はさほどではなかったが、研究室ごとに電力消費量を計ることによって、結果的に仕事の効率が上がったと聞いた。また、広島でのエコスクールの発表会で、早寝することで、いろいろの派生的な改善効果があったということだった。

・要は、どの方向を目指すかと言うことが大事。食料を自給することを目指すことも大事だと思う。週のうち半分は農業をするとか、そんなライフスタイルもいいのではないかと思う。
・日本でも食料自給は不可能ではない。鳥取大学農学部長をされていた津野先生から国民皆農業で可能という話をきいたことがある。
・イタリアでは若者に農業に就くことを奨励する動きがあるそうだ。
・日本では、農地法の規制などもある。そういう制度は変えていかないといけない。
・アメリカは今は食料輸出国だが、地下水位低下の問題もあり、持続可能とは言えない。
・バイオマスエネルギーも限界がある。江戸時代末期には日本ははげ山になっていたではないか。辛抱も大事と思う。現代人は非常に自然と外れた生活をしているということを考えて、それぞれが考えなくてはならない。
・農業技術の進展も大事。工業でも資源も少ない国で条件的は不利だが、やってきた。条件的にもそう悪くないし、いまから農業技術ももっと進歩させなくてはならない。そういう積極姿勢も大切だ。
・原発による電力のコストにしても、もっと総合的に総合的に考えなくてはならなかったし、農業の評価についても単に経済価値だけでは判断できない。
・エネルギーや食べものを安く買いすぎているのではないか。
・人間の大元に立ち戻って、人間性を取り戻すことを考えるべきではないかと思う。

Ustream はhttp://www.ustream.tv/recorded/30459789 でご視聴いただけます。

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